ひっくり返らないそれ
同じ地球上で戦争が起きている。今も誰かが死んでいって傷ついて、泣いている人がいる。それなのに私は無職だ。
今こうしている間にも人の命はすり減っている。それは人によるものかもしれないし、世界によるものかもしれないけれど、変わらないのは同じように少しずつ削られているということ。誰一人としてその命を保ち続けることはできない。
砂時計の砂のようである。ただしそれは最後の一粒が落ちたからといってひっくり返されることはない。その時間が終われば、それで終わり。例え誰かにガラスから砂つぶを抜かれても、落ちきればそこまで。慈悲はなくそこでおしまい。
私は無職の私という砂の粒を徐々に落としながら生きている。未来がどうなっているかはわからないが、もし肩書きが無職じゃなくなったところで無職じゃなくなった私という粒を落としてまた生きていく。いつでも私は私を削って生きている。
命の粒は必ず落ちる。一粒残らず。誰にも平等なのはそれだけだよなあと思った一日。また次回。
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