隊長参上
どっかで見たことがある天井だ。
僕が、首をギプスでガッチガチに固定されながら寝て、起きた感想がそれだった。あんまりだとは自分でも思うけど、知らない天井って言うときの気持ちってコレかって思ったら、近隣の一番近くて大きい病院の天井だったんだから。
いやまあ確かに僕の体に何が起きたのかは全くもってちんぷんかんぷんだけど、首の処置を見るに相当ヤバそうなので、この病院に運ばれるのは理にかなっているけど。
「大丈夫ですか?意識があるなら、瞬きを三回してください・・・良かった。意識はあるみたいですね。喋れますか?」
「あ…あ゛い」
「無理に喋ろうとしなくても大丈夫ですよ。なんせ、君は気を失ってから三日間も寝ていたんですから」
わぁお。妙に喋りづらかったのは、首のギプスだけではなく喉がカラっからだってのもあったっぽい。正直、三日間も寝ていた事実よりも水が欲しい。体に何かが引っ付いている感じからして、医療に関してはからっきしだから信用できないが、恐らくチューブとかで栄養補給とかをしてきたのだろう。
口から三日間も水分補給しないのってこんな感じなのか。
「ずみ、まぜん。水、下ざい」
「あ、そうでした!すみません、すぐに持ってきます!」
若干、僕を看護している人がおどおどしているから心配だ。割と重症な感じの患者なんだから、もうちょい熟練って雰囲気がある人が来るんじゃないのか?
それともあれか?僕が寝てる間にこの町に大量殺人犯でも現れて、町中死屍累々の様相を呈したから、病院の人出が足りなくなったとか?
…ないわー。流石にあり得ないだろ。
想像通りに若手の人なのか確かめんと、僕は奇行でもしていない限り三日間閉じてきた目を開けた。空気に全く触れていなかったせいか全く見えなかったが、ある程度目も慣れてきた。それと同時に、看護師(?)の人の足音が僕の耳に届いた。
「お水持ってきましたよ~。ちょっとずつ流すのでゆっくり飲み込んでくださいね」
がらりとスライド式の扉を開け、にっこりと笑顔で僕の口元までコップ一杯の水を運んできた女の人は、看護師を連想させる物である代表物である白衣とかを何も着ていない、マジの私服の女の人だった。
ぽかんとして口を開けていると、そこにゆっくり水が流し込まれ、僕は盛大にえずいた。女性にご丁寧に水を飲まされて吐く男子中学二年生。全くもって絵にならない。
これは…汚かった。当然ですよね。男子に吐かれて興奮する方々(少数派です)を除けば、こんなの絵にしてもただの汚物です。
というか、吐いてることについて僕はなんで四行も使って説明してるんだよ。
「だ、大丈夫ですか?!え、えっと、ティッシュ、ティッシュはどこだっけ・・・?」
「ゲホッ、グフッ…」
絶対この人看護師じゃない。吐いたのは僕の失態にして墓場まで持ち込む黒歴史(?)として、私服なのもしかり、吐いた対応がティッシュの上場所が分からなくて混乱するという、市で一番の病院にはとてもではないがあるまじきものだ。
まあ、僕が病院について知らなさすぎるだけで、それが普通なのかもしれないけど…
「ありゃッ?!こ、こけた…」
「…」
うん、違うね。これが普通なんだったら僕は全日本病院協会に殴り込みに行くよ。
痛む首を少し横に向けると、髪が乱れすぎて妖怪の様になっている女の人が見えた。出勤時間間違えてない?今、昼だよ?
ようやく起き上がって僕の元まで来た女の人がティッシュで僕の吐いた後を拭いている(僕は、謎に手足を拘束されていて何も動けない。どこのドSがやりやがった)と、手足が拘束されていた驚きを呑み込みながら、ようやくまともに見た女の人の顔は、凄い美人だった。
おっとり系の、何だか温和そうな感じの顔つきで、長い茶髪を持っていた。
今まで現実で出会った中で、一位二位を争えそうな美しさを持っていたから、僕はまた当然の如く固まった。起きてから、三日分じゃくだらない位の衝撃を与えられてきた気がする。
何だ。僕への衝撃は雪だるま式で日に日に増えていくのか?退屈はしなさそうだけど疲れそう。
根拠は今僕が疲れているという所にある。
流石に、もうこれ以上の衝撃は来ないだろうと女の人の顔をぼーっと見ていながら思っていた。しかし、僕への衝撃はまだ足りなかったっぽい。そんなに悪いことをしたかと思わず思ってしまう程である。
女の人が、「私の顔に何かついてたりしますか?あれ?おーい、聞こえてますかー?」と僕の顔面に呼びかけ、意識が現実に復帰し、脳の機能が顔を真っ赤に染めようとする一瞬前。
――――どごぁあああん!!
「私の事を忘れてもらっちゃあ困るぜマスター!(キラッ)…あれ?あ、お邪魔したようでしたら、大変失礼しました。どうぞお楽しみに~」
「…え、うん?あ?!もしかして?!ちょっと、誤解だから!戻ってきなさーい!」
「なん゛て、ごとだ…」
脳の機能は、扉を轟音と共に開け、患者の部屋の中に侵入して大声を上げた挙句、とんでもない爆弾発言を残して去って行った、彼女を前にしてあえなくぶっ壊れた。
赤面がバレなかったし、美人が赤面しているのを現実、それもアップで見られたのは不幸ではなく、いやてかむしろ幸せなんだったろうけど。
「首に自分の吐しゃ物撒かれている状態で放置されるのはちょっと勘弁してほしいんだがな(ボソッ)」
幸せに不幸を足してプラマイゼロだ。その後、彼女を静かな殺気で押さえつけながら戻ってくる女の人が戻ってきた。目が、目が!怖い!
三者面談のような立ち位置(女の人が教師、そして僕はもちろん親だ)になりながら、患者なのにも関わらず冷たい視線を浴びることになった。風邪ひくよ?
「で、この
「し、り゛まぜん。そんな゛の」
「モノ扱いは酷いッ!一応血は同じものなのに!?」
女の人の視線がどんどん絶対零度に近づいて来ている。おかしい、急患な上に何も間違った事は言っちゃいないのに。なんでだ。
「…妹に、自分の事をマスター呼ばわりさせるのは人間としてどうかと思いますよ?」
「ご、がい。家族、じゃ、ない。でか、他人」
「他人だなんて人聞きが悪い。わたしゃあマスターから生まれたんでっせ。それなのに名前も姓も無く、寂しく個室に閉じ込められていたんですよ?ひどかぁないですか」
「ひとぎ、きがわる゛いのは、お゛まえの方」
「…不埒ですよ。事件の被害者かと思っていたら、実は加害者だったなんて。隊長もお人好しが過ぎるわ、こんな人を助けるなんて」
何だか事実から離脱しすぎている想像をされているそうだが、喉がまだうまく使えてないせいで声が出ない。これじゃあ、僕のイメージが不名誉極まることになってしまう。助けて某アン入れたパンマン!愛と勇気を連れてこの問題どうにかしてくれ!
…愛と勇気で世界が回るのなら言葉は必要ないのだがな。
「ここが夢咲さんの病室ですか。案内、ありがとうございます」
「いえいえ、貴方に比べれば世に貢献することなどほとんどできておりませんので、そう気を遣わずに。それでは、私はここでお暇させていただきます」
「そうご謙遜なさらずに。では、こちらも失礼いたします」
なんかどっかで聞いた事がある、低い声が聞こえてきた。絶対聞いた事があるんだけど、直近の精神に衝撃を与えた記憶のせいで中々思い出せない。
僅かに思い出せたのは、俳優やらせたら金になりそうだぜぐへへへへという気持ちだけだ。自分の事ながら、非常に気持ちわりぃ考えしてんなとドン引きである。
「どうもこんにちは。君が夢咲優斗君かい?私は『特務課夢喰い』第四大隊隊長、大連雄太郎だ」
ま、こんときの出会いが後々、僕の人生を荒波だたせることになるのだけど、それはまた後の話。
今を生きる僕は、大柄で優しそうで脳筋でもなさそうなとても憎め無さそうな人柄がよい感じの人に対して、なんてイメージを持ってしまったんだと早々に後悔しながら、自己紹介をしようとして、声が出ないことに気づいてえずいた。病気じゃないのに二回もえずくなんて。今日はえずき日和だなー(棒)
「無理に声を出さなくても大丈夫だよ。喉がちょっと焼けてるっぽいし、何だったら喰われているしね。大丈夫、一生声が出せなくなるとか、死に至るとかは無いから。」
「だ、大丈夫だよ~。これは私の失態を帳消しにするチャンス!(ボソッ)」
僕の事を加害者と疑っていた割にはよくそんな事呟けんなと、怒りを一足飛びして呆れに至ったジト目で女の人を見ていると、場を一瞬にして支配していた大連さんが、場の雰囲気を良い方向へと導き始めた。
「杏子?自己紹介も何にもせずに接してたのか?流石にそれぐらいはしようよ。病院にいるのに私服って時点でかなり怪しいんだからさ」
「うぅ…わかりましたよ隊長。耳の穴かっぽじってよく聞きなさいよ!私は
「なんか初対面の人に対してな割には雑な感じの自己紹介をありがとう、杏子。あと、自分でこれでもって言っちゃってる辺り自覚無さそうだね」
なんか、親子でやってる漫才でも見せられている気分だ。こういうのはむしろ、いる方が気まずくなるもんだが、会話に参加している感がさりげなくあるから、見ていても面白い。
僕が言うのもなんだけど漫才やりなよ。引きこもってる部屋の中で応援するからさ。
「で、夢咲君。いろいろあって混乱してるだろうけど、何個か重要な事だけ教えとくよ」
「もちろん私のこたぁ入ってますよね?小説ならラスボスの居場所並みに重要な私のことですから、当然入って」
「るはずないよ?というか、いい加減吐いてもらおうか。君の正体を。まあ見当はついているけど、夢咲君が起きてくれたから断言してくれるんだよね?でも、君は多分心の中で女性型だから何とかしてうやむやに出来るんだと思ってるんだろう?」
「いえいえそんな…何故わかった?!」
「さらっと正体バラしてくれたね。まあ、夢咲君、まず君の友人?である友田雄介君は無事だったよ。多少煙を吸って調子は悪くなっているが、命を脅かすほどの物じゃない。安心してくれ」
何気に情報量が多かったが、友田が無事だったのは良かった。首を喰われて、気絶した直後の事は全く覚えていなかったしな。
…うん?首を喰われた?うさ耳女も結構ヤバかったが、僕の首を喰うような特殊性癖の持ち主はあの中にはいなかったはずだが。てか、なんでそんな物騒な記憶だけ残ってるんだよ。
「あと、君を襲っていた犯人については…まあ、君がまともに喋れるようになってから明かすよ。もう捕えているから、再度襲われるということはないから安心してくれ。」
「隊長~、研究所から連絡来てるよ。なんか隊長専門装備についてって事らしいから、ちょっと代わって」
「了解。あ、夢咲君。友田君から、言伝を預かっているんだけど、聞くかい?」
友田が、伝言?あいつにそんな人を思いやるような心があるとは思えないんだがな。
「『元気にしてろよ、彼女持ち絶対許さないよな?』だとさ。前半と後半がどういう繋がりがあるのかは全く不明だけどね。彼女がいるんだったら、大切にした方が良いよ。これは人生46年間生きてきた先輩のただの独り言ってことでね」
では、またね。そうしてガラリとドアが閉まり、彼女も大連さんの顔を見て絶望しながら去って行き、こうして部屋はまた静かになった。
状況を整理しよう。まず、友田からのあれはただの殺害予告だ。要するに、
『彼女持ってるお前なんて俺がぶっ殺してやるから、それまで元気にしてろよ?』
と言っている。期待通り、人を思いやる心が無かった。
大連さんの独り言も、本当にただの独り言と化した。だって僕彼女いないし作った事もないし、というか友達作る段階で苦戦してるんだから、それを言う相手は最低基準で友田レベルではないと話にならない。
順番に整理していると、三日間寝ていたのにも関わらず睡魔が襲ってきた。多分というか殆どというか、起きてからの衝撃的展開(特殊性癖だと思われるetc)が原因だろう。
そして、眠りにつく一瞬前、ふと思った。
あれ?結局吐しゃ物の対応何もされてなくね?
その日の寝付きは言うまでもなく最悪だった。
~~~~
僕は、寝付きはともかく寝覚めは良い方だ。だから、まあ昨日みたいに寝付きが最悪であったとしても、寝覚めが良いから全て良しだと思っている。だからこそ、寝覚めを悪くするような存在は基本的に許さない。
こいつみたいにッ!!
「どっけぇい!誰だ僕の快眠を邪魔するのは!」
「いやいやマスター、そんなに怒らんでもいいじゃないですか」
「僕はニートの特権である快眠は邪魔されたくないんだよ!てか君なんで人様のベッドの、それも腹の上に横になって寝そべってんのさ!常識と良識は無いのか?!」
「あるんでしたらここに私は居ないでしょう…」
「開き直りやがったなこん畜生」
引きこもりで限られた人間相手にしか普通に話せない僕を自然に話させたのは称賛に値するが、寝覚めを悪くする存在にかける情などない。とっとと追い払って再び目を閉じようと、苦々しく口を開こうとして、ちゃんと吐しゃ物の対応がされていて安心した僕に対して言った。
「もう12時超えちゃってるよ?そんに、大連隊長が
「あのさ、その例えを僕の事を知っている上で敢えてやっているんだったら、君、相当性格悪いよ?体が動かないにも関わらず殴りかかってしまいたくなりそうに程に」
「にゃはははは。そんなの、知っているはずないじゃないですかマスター。ま、それを使うべきという意思が何処からか私へ届いた気がするというのは否定しませんが」
「そこまでして僕の安眠を邪魔したいのか友田…!」
そこに、彼女を使うのも皮肉のようなモノを感じる。というか、あいつテレパシーなんて使えたっけかな?
「分かったさ、話せば良いんだろう話せば。でも、当然だけど僕は動けないから君が呼びに行ってよ?」
「…嫌だなぁマスター。本気出せば動けるでしょう?人間、本気出せばたいていの事は出来るもんですよ?」
「君実は動きたくないんだろう。それなのになんで僕に話題振ってきたという疑問は残るが、自分が言った言葉には責任を持とうか」
「ちょ、ちょっと日程を間違えているかもナー。隊長が来れるのは明日だったり「嘘つくな」はい。すみませんでした」
割とガチで殺気込めながら睨んだらあっさりと従った。いや、嘘ついてる自覚あるんだったらつくなよ。分かりにくいだろうが。
「で?今大連さん達は何処にいるんだ?」
「えーっと、今は隣の県にいますね。依頼だそうです」
「お前さ、チャンスとか大げさに言ってるけど、あっちの都合でキャンセルされてるんじゃないのか?」
「い、いや?そんな、そんな事あるはず…あっちまったぜ」
「あんのかよ」
「直接会えはしないだけで、事情はあっちからオンラインで説明してくれるようですよ?」
「近代化ここに極まれりって感じだな」
小説だったら折角の大事なキャラ登場イベントと言えるような出来事だというのに、転移とかするのではなく普通にオンライン通話。時は現代、社会のオンライン化は進むばかりである。
ちなみに、大連さん達の都合を何故彼女が知っているのかというと、普通に僕の携帯のラインアプリの友達に追加して、そこから情報を貰ってきていただけらしい。本当にタネも仕掛けも無いな。
「で?いつ話せるかは分かったのか?」
「今、ダネ」
「ダネ、なんて言ってる暇あるんなら手を動かせ手を!」
「はひぃいいい!?」
彼女が奇怪な悲鳴を上げながら僕の携帯を操作し、ようやく通話モードとなった。これで、ようやく僕の身に降りかかった、もしくは起こった事が、分かる。
「やぁ、夢咲君。喋れるようになったかな?」
「はい、何とか大丈夫です。今回は、事情を説明してくれるとの事でしたが、具体的には?」
「大まかには、君たちを襲った『箱舟の騎士』についてと、君と、君の隣にいる良く分からない嬢ちゃんの事だよ」
ドンピシャで僕が聞きたいことだ。というよりか、普通そこ以外に聞くことあるのか?ってレベルの話だけれどもね。
「単刀直入に聞きますと、『箱舟の騎士』ってなんのカルト集団ですか?」
「ハハッ、あながち間違ってはいないが、印象だけでカルト集団って思ったら駄目だよ」
「達人級の腕で銃を使って僕と友田とここの彼女が死ぬ気で留めた間宮って人をボッコボコにしてた人の組織だったとしてもですか?」
「…そりゃあすまない。流石にそんなに化け物染みた実力者がいたらそうも思うよね。…やはり『ゲヴェーア』か」
中二病心を擽る素敵なネームが出てきた気がするが、大連さんの顔が真剣そのものだから、笑う事は出来ない。だから僕の隣にいる君は最低でも忍び笑いで耐えろなんで噴き出す寸前なんだよ。
「僕は、その『ゲヴェーア』?から『箱舟の騎士』については、オブラートに包まずに言うとほぼ全部の生物を未来まで継承して、社会的に弱い立場にある夢中症候群を自分らの活動に利用するブラック組織と聞きましたが、認識に間違いはないですか?」
「そこまで知っていれば十分さ。その通り、あいつらは血も涙もないような奴らだ。入れさせられた奴らには悪くない奴もいるが、あの組織の本質は悪だ。人間でいう所の、性悪説と言ったところか」
そこまで真っ黒な組織なら、なんでこんな平和な国で捕まらないのかと疑問だ。しかし、隣で話を半分聞き流している彼女がいるのを見ると、やっぱこいつとか、さりげなく殺害予告してきた友田とかのマシ(?)な部類を優先的に逮捕しているのか?
「あの組織は完全にブラックだからね。見つけたら即刻襲撃、情報を持っていそうな奴のみ逮捕って形にしているのさ。こちらとしても暴れられると何人死者が出るか分かったもんじゃないからね。あそこは、夢中症候群か『ゲヴェーア』みたいな
逮捕すらされない衝撃の事実が僕に伝わると同時に、気になるワードが出てきた。獣人ってなんだ?うさ耳女がそれに当たるっぽいが、なんで戦闘力が高いんだ?
「あれは、
「相当、えげつない事してません?それって…」
「うん。人間という種族から外れるし、もし仮に組織から離れようにも、社会に出たら必ず差別される事になるだろうしね」
「うわぁ…」
『箱舟の騎士』に入る人も入る人だが、リーダーもリーダーだ。入る者拒まず出る者離さずといった所か。最悪のブラック企業に限りなく近いな。
「じゃ、君の後ろにいる嬢ちゃんについて説明するよ」
「いやぁ私のためなんぞに時間を使わなくとも、有効な時間の使い方は…」
「黙ろうか」
「はぃいいいいいいい!」
笑顔で喋るが、目が全くもって笑っていなかった。さっきの僕もこんな目をしていたんだろうか。顔の造形じゃなくて、雰囲気的な方ね?
「改めて言っちゃうと、その子、君の
…は?
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