第5話 共通点

「さて、ピザが届く前に一つクイズをだそう。答えることができたら昼飯をたべてよし。問題は『我々の共通点は何か。』ここにいる人に聞いて答えを導くのだ。」

そういって榊原はにやにやしている。

俺は驚きと面倒臭さがまじったセリフを吐き、思考に入る。

ぱっと見た限り、見た目は全員バラバラだ。榊原が『人に聞いて』というからには質問をいくつかしなければいけないようだ。となると一番答えてくれそうなのは…

「桑川さん、共通点ってなんなんすかね?」

「それを考える事がお前のミッションだろう。だが、あの問いかけでは困惑するのもわかる。俺からのヒントは『人生』だ。そして答えはお前にも適応される。」

「岩君ヒントあげすぎじゃない?」

「貴方が何も言わなさすぎなだけでしょう。」

俺に適応され、人生…俺の人生っていざ考えると訳がわかんねぇ。だけど、俺の人生でここの人達が何か知っているのなら情報源は大方榊原と俺の会話だろう。昨日あったばかりだから絞れてくる。ここは他の人にも聞いてみよう。

「えっと、龍さん?あなたの生い立ちを教えてくれませんか?」

「あぁ、龍でいいよ。それと生い立ち教えるとほぼ答えだからかわりにヒントをあげよう。ヒントは『ここの最小年齢は十二歳』だ。」

なるほど。性格悪い榊原のやりそうな事だ。

弱年齢で経験し、生い立ちに関係があり、俺が榊原に話したこと。つまり答えは…

「全員親を亡くしている?」

「おぉ正解!よくわかりましたねぇ。」

「そう、ここは榊原さんがそうゆう者をあつめたんだ。特に俺はまだ物心がついたばかりの頃に拾われた。いい加減な人だが皆感謝してるよ。」

「いいこと言ってくれるねぇ~岩君。」

榊原は嬉しそうにピザを食っている。

「あー!榊原さんピザ食べ始めてる!私もたべるー。」

北沢が食いつく。続いて龍、柚季、桑川さんも食卓に座る。ピザを見るとベジタリアン用の奴だ。榊原はいい人ではないが、一応医者なんだな、と再認識した。俺も食おう。っていうか桑川さんを除き全員食い方が汚ぇ!!

具材は溢してるし口の回りにトマトソースがべったりだ。ちょっと血みたいで食欲がうせた。

「もっとうまく食えないのかよ!?」

「いいじゃん食べられれば。」

「親かな?」

「そうゆうお前は食べないのか?」

全員何も気にとめてない。俺は軽く溜息をついてピザに手をのばす。

「思ったよりうまいな…」

誰かと飯を食べるのは久しぶりだった。最後に他人と飯を食べたのいつだっけか、とぼんやり考えながら次のピザに手をかける。

「ん?なにこれ」

北沢がピザの箱の下に何やらチラシを発見する。どうやらピザと一緒にきたらしく、チラシにはこう書いてあった。

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