第13話 国立能力特性図書館

同じ能力なら使い方も似たり寄ったりになるのは良くあることだ。なら『暴発』も使いこなせてる人を真似すれば柚希もコントロール出来るのではないか。そうなれば能力や特性に関する蔵書が沢山ある、国立能力特性図書館がいい。丁度近くにある。関係ありそうな文献を手当たり次第に探そう。


図書館別エリア

「文、どう?見つかった?」

「う~ん、私のこの力が能力ってことしかわかんないよ~。大会で使えるかもわかんない」

「でも強い使い道があるならラッキーじゃん?」

「知朱姉とか呉公、曲曲とかはどうやって能力使いこなしたの~?」

「私は…才能かな!」

「身近に同じ能力者がいた。」

「俺は独学」

「全然参考になんな~い。」

「まぁ能力が後から発現すんのは珍しいらしいからあるだけいいんじゃね?」

「そうだけどさぁ~」

「もしもし、お嬢さん方。調べ物が行き詰まっている用ですね。」

「誰だおばさん、なんのよう?」

「私はこの図書館で働いてるの。何か困っていたらお声かけ下さいね。」

「そうなんだ!えっと、この子の能力について調べてるんだけど全然見つからなくて…」

「能力の名前はわかるかしら?」

「それがわかったら苦労してないよ~」

「そう、じゃあうちのとっておきが居るからその人に調べて貰いましょうか。ちょっと奥に居るからついてきてちょうだい。そのチラシ、もうすぐある大会のなんでしょう?あの人もそれに出るはずよ。それと、他のお客さんも居るからお静かにね。」

「はーい!皆、静にしてるんだよ!」

「「知朱姉が一番うるさい」」


(あった、これだ。『暴発』を使いこなした人。えーと、スペイン在住、ラウド・ウルフルズって人か。う~ん、柚希を連れて征くには遠いな。どうやったら連絡とれるだろうか。まぁ外も暗いし手掛かりだけでも得られただけで御の字か。細かいことは明日また調べよう。さて、確か明日は桑川さんか。特性が沢山あるんだっけか。)

俺は本を片付けて塾に帰る。桑川さんが夕食を作ってくれていて、肉が食べられない俺の為にヴィーガン料理を作ってくれる。一番最初は怖そうな人だと思っていたけど結構優しい。正直榊原より感謝してる。明日は有意義な時間にしよう。俺は布団の上でスマホで特性についてざっと調べる。まだ何かいそうな感覚は在るけど随分なれてきた。住んでいいと言われる限りは厄介になろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る