第18話 散り散り

さて、ゲートをくぐった俺は知らない場所が目に映る。早めに琴方学問塾のある東京、中野区に帰らなければ。ここはどこかはっきりさせるためにスマホをひらく。どうやら俺は小金井市に飛ばされたようだ。他の皆はどうだろうか。


「これは困った。まさか島に飛ばされるとはなぁ。」

「ラッキー!池袋は当たりでしょ!」

「うーん、山奥すぎてスマホもつながりませんねぇ。ホントに東京なのかなぁ。」

(桑川さんがいってた…。場所が分からないときはコンビニとか交番、もしくは電柱に書いてあるって。えーと、ここは、足立?)

「世田谷か。上々だな。さて、帰るか。」


思ったより近い所に飛ばされたな。割と早く帰れそうだから他の参加者を倒しながら行こう。最終日、スタジアム内にいる参加者だけで最終サバイバルが行われる。さらに最終サバイバルの残りが八人になったらトーナメントが始まる。なら少しでも参加者を減らした方が得策だ。歩いて探してもいいけど効率悪そうだな。せっかくだから器物損壊罪とか暴行、殺人その他の法律を無視出来るから出来る方法にしよう。

『フェードアウトPHz』

自分を中心に周りの建物が瓦解する。半径40メートル位の建物を吹き飛ばしたからだいぶ見晴らしがよくなった。これで目立ちながら琴方まで歩いて行けば結構参加者を減らせるだろう。強い奴を倒していこうとしている奴が近くにいるなら俺を見逃すはずがない。どんな奴でも勝てる自信あるし、このまま歩こう。

「待てや。」

声と同時に後ろから何か衝撃を加えられた。

「タリィけどなるべく参加者を減らさなきゃなんねぇからな、こんな暴挙するような奴をほっとくわけにいかねえ。」

柄の悪そうな奴が近づいてきた。待てよ?何かおかしくないか?

「お前、なぜ立っていられる?」

「こんなん俺にとっちゃ屁でもねぇ。」

防御系の能力者か?面倒臭そうだな。だけどやるしかないのか。

    

       リノVS猛豹


「さて、東京行きの船が出るまで時間あるな。この島にいる他の参加者だけでも倒してしまおうか。参加人数と面積から見て大体四、五人いるのかな?」

「そこの御老人、見るに中々の手練れと見受ける。我と手合わせ願いたい。」

「…君、名前は?」

「失礼、名を権田筋肉と申す。」

「そうかい。私は榊原重吉という物だ。」

「なんと。あの榊原殿であったか。ならばなおさら本望。我はどこまで通用するのだろうか見ておこう。」

「じゃあお先にどうぞ。だけど船に乗り遅れたら困る。だから時間までだ。」

「承知。ではゆくぞ。」

    

      榊原VS権田筋肉

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る