第9話 不安眠と心地よさ
1階に上がると供に、俺に電話が掛かってきた。
「もしもし、武蔵野警察の長田と申します。先日の住宅火災の件なのですが、捜査により判った事がございまして、ご意見を伺いたいのでお手数ですが武蔵野警察までお越しいただけますでしょうか。」
「あ、はい。今ちょっと予定が埋まってるので、そうだな、5月の12にまた電話するので、日にちはその時で良いでしょうか。」
「はい、全然問題ありませんよ。」
「お手数お掛けします。ありがとうございました。」
「いえいえ、ではこれで。」
電話を切る。いろんな事がありすぎて忘れていた。そういえば燃えた俺の家に死体があったんだっけか。
「誰からですかぁ?」
「警察。事情聴取したいんだとさ。」
「大変そうですねぇ。」
矢花と話していると榊原と桑川さんが帰ってきて、続いて北沢も帰ってきた。
「龍さん、戦闘訓練って何したの~?」
「そうですねぇ、長所を伸ばしたのと、能力者との戦い方、ですかねぇ。」
「ふ~ん。明日は誰だっけ?」
「明日は柚希だな。頑張れ。」
「あぁ、頑張って。」
「…頑張って下さいねぇ。」
皆して何故が微妙な顔をする。凄く怖い。昨日もあまりしゃべって無かったし。
「柚希君ってそんななんかあるん?」
「あぁ、柚希の能力はな、『暴発』だ。柚希はまだ経験がない。能力に詳しそうなお前なら判るだろう。」
そうゆうことか、明日はかなり気をつけないと。
そのあと夕飯を皆で食べて、夜も更けて帰っていった。俺も寝ようと布団に入る。慣れないい場所だからか物陰や壁の向こうで何かが動いてるようで寝付きが悪かった。まぁもうしばらくしたら直るだろう。
朝、昨日と同じように身支度をして下に降りると柚希と桑川さんがいた。
「柚希はまだ小四だから俺も付く事にした。昼飯を食べたら戦闘訓練をするからそれまでこいつと一緒にいろ。」
そういって桑川さんが珈琲をくれる。この珈琲を飲むと不思議と安心する。けれど話したい話題がないのでテレビをつけることにした。ニュースでは物価上昇のこと、誘拐、天気、交通事故。余り気分のいいニュースは流れない。けれどなぜか柚希は俺の隣に座り、桑川さんの入れたココアを飲んでいる。ニュースの音がするはずなのにどこか静で心地いい。柚希はどう思っているのだろうか。いきなり現れてここで暮らしはじめた俺の事を。
まぁそんなことは気にしててもしょうがない。
『暴発』。昨日調べた限りだと、一人ずつ割り振られているステータス全二十四項目のうち、ランダムで何個か何かをトリガーとして異常に数値が上がるらしい。世界ではこの能力で成り上がった人もいれば身を滅ぼした人もいるらしい。この少年が無口なのも、親がいないのも、皆が微妙な反応をしたのも何か関係があるかもしれない。
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