僕の世界支配計画

tokinashi

第1話 変化

その日、世界の常識が変わった。人はまるで魔法のような力を使えるようになり、見たことあるような生物があふれ、それに伴い法律も変わった。だが、それだけだ。人は今までと同じように生活していた。


かく言う俺もそうだ。いつも通り大学の終わりに家の近くのコンビニでバイトをして、1人で静かに暮らしていた。ありふれた生活だが、そんな俺にも自慢できる事が三つある。

一つ目は、異能力が三つある。いくらこの世界が能力者であふれているとはいえ、大抵は1人一つだ。その中の二千分の一の人は二つ持っているらしい。俺の三つは、世界でも稀らしい。しかも、どれも有用なものだ。「振動」「元素」「制限」だ。振動は、いろいろなものを振動させられる。元素は元素を生み出せる。制限は、そのままだ。

ここまで貴重な存在、放っているわけにいかない。最初に目をつけたのは、日本で一番稼いでる大企業「リズミュード」。そんな企業に内定もらっている。それが二つ目の自慢だ。最後の自慢は彼女がいることだ。名前を望月円香という。黒髪ストレートで、容姿端麗、成績優秀な奴だ。なぜそんな高嶺の花と交際しているかというと、俺も彼女も幼くして両親を失っている。偶然サークルで知り、どんどん仲良くなっていった。


そして今日はリズミュードの体験がある。俺は鼻唄交じりで会場に向かった。今日行くのは、リズミュードの食肉加工場だ。現場につくと、いかにも紳士って感じの人が出迎えてくれた。この人はここの工場長らしい。なんでも、能力「結界」で、清潔な環境を整えてるんだとか。中に入ると、沢山の機械が並んでいる。そしてそれらから普段食べているハムやソーセージなどがでてくる。率直に面白かった。

最後に、家畜が解体されていく工程を見られるようだ。いくら家畜とはいえさすがに心が痛むらしく、見るか否か聞かれた。俺は悩みに悩んだ末、見ることにした。刃物が急に飛んでくる事が稀にあるらしく、工場長が結界を張ってくれた。いよいよこの扉の先にあるようだ。

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