第11話 冒険者

またもやゴブリンの集落ができたという情報が騎士団に入ってきたらしい。

魔物も含めて生態系が構成されているこの世界では魔物の討伐のし過ぎは問題だが、ゴブリンは繁殖が強い、否、強すぎる。

魔物はゴブリンしか生息していないこの森、殺さなければ返って生態系が壊れてしまいかねない地域だが、最近は繁殖のスピードが早すぎる。

集落またできたということで今回は冒険者も加えて徹底的に駆除することになった。


「派遣されたルドーだ。よろしく。」

「同じく派遣されたサックでーす。ルドーとは二人で活動していまーす。」


うちの班には冒険者が二人ついてくれた。

ルドーは斧を持ったthe!といった感じの風貌。

サックはレザーアーマーに腰に二本の剣…二本!?


「サックさん…二刀流で戦うんですか!?」

「そうでーす!よく知ってるねぇ!珍しいから気味悪がる人も多いんだけど君みたいに興味津々な子は久しぶりだ!」


これはもう頼むしかない!


「僕にもそれを教えてください!」

「いいけどだいぶ適正が関わってくるよぉ?大丈夫かなぁ?」

「それでもいいので教えてください!」

「そこまで言うならいいでしょーう!今日の分が終わったらまず触りだけ教えてあげるよ!」


ゴブリンの量が多い以外は普通通りの討伐をして、騎士団の訓練所に剣を二本持った僕とサックは立っていた。


「俺のスタイルだと防御はできない!まずは剣を二本持った状態で回避をしよーう!」


二つの剣を持った状態での回避は思った以上に難しい。

横跳びで回避しようにも、いつもより遠くに早く飛ばなければ刀身に攻撃があたってしまい、体勢が崩れてしまう。


「回避するときに左の剣が追いついてないぞー!体についてこないと今みたいになっちゃうぞー?」


ゆるい話し方をするサックだが、その攻撃は変わらず苛烈だ。

ついてけていないわけではないし、戦闘スタイルも僕と似ているところが多いサックの戦いぶりは僕の参考にもなる。

ありがたいといったところだ。


ゴブリンを倒し、サックと訓練をする。

数日回避の訓練をやったあと、


「うん。回避の基礎はできたからあとは使ってくだけだねー。今日からは攻撃も教えようかなー!」


待ちに待った攻撃の訓練。


「左手が使えてないぞぉ!両手をそれぞれ使おーう!」


盾を持つぐらいしかしてこなかった左手では右と同じように攻撃をする事ができない。

ただ、繰り返すうちにどんどんできるようになっていくのが見てわかる。

それが嬉しくてどんどん練習をした。

攻撃がはじめよりまし程度にできるようになった頃、ゴブリンの集落に攻め入る日が来た。

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