第12話 集落

前回とは違い、腰に二本のショートソードを差した僕。

本格的に使うわけじゃないが、機会があったら練習できるからだ。

場所はすでに割れているので、今回は一斉に攻め入る。

戦闘開始の合図の鐘がなると、僕らも集落に向けて駆け出した。

わらわらと向かってくるゴブリンたち。

昔友達の家でやったゲームでこれぐらいの数の敵がいただろうか。


「どいてくださいっ!!」


僕はいつもよりかなり太い魔槍を三本用意。

面での攻撃になるように横に並べ発射する。

凄まじい音を立てながら、ゴブリンたちは弾け飛ぶ。

一つの群れはそれだけで壊滅状態になった。

この量が外敵への兵として出てくるということはかなりこの集落は範囲にしては強大な可能性が高い。

そのまま向かっていけば、大きいゴブリンが二匹出てきた。

前回の集落でボスクラスだったゴブリンよりはかなり小さいものの、普通のゴブリンよりも1.5倍ほどの大きさだ。


「左は俺等がやる。騎士さんには右を頼みたい。」


「わかりました。」

「分かった。」


アバン兄さんとハンクはそう言うと、他の騎士とともにゴブリンへと向かっていく。

僕もそれについていき、魔槍を準備する。

僕らの目の前のゴブリンの武器は丸太。

ゴブリンの腕力で振るわれたらひとたまりもない。

魔法を放つが丸太に打ち払われ、続けざまに丸太を投げてくる。

前にいた兄さんたちは後ろに弾かれ、他の騎士もその勢いで吹き飛ばされてしまった。

魔壁を使い、丸太を防ぐ。

兄さんたちが丸太の下敷きになることは防げたが、すぐには動けないだろう。

二人の冒険者もデカいゴブリンに苦戦している。

僕一人で倒せるとは思わない。

なら、

みんなが戦えるようになるまで持ちこたえる。

二本とも抜き、待ち構える。

家かもわからないようなものを解体し、ゴブリンはまた丸太を武器にする。

横目で冒険者の方を見ると、ゴブリン側にだいぶダメージが溜まっている。

しかし動きが変わっていない。

かなりタフなようで倒すことは考えないほうがいいだろう。

間合いは空いているので攻撃をバックステップで避け、身体強化を回す。

向こうは近づいてきてまた丸太を横に振る。

やはり大ぶりの攻撃だが、避けるスペースがない。

僕は上に飛び、魔壁を横に展開。

擬似的に二段ジャンプをし、丸太を飛び越えることができた。

もう一度魔壁を使いジャンプ、ゴブリンの頭に右の剣と左の剣で一撃ずつ切り裂く。


グォォォォォォッッ!!!


ゴブリンの左目を潰せた僕はすぐさま後ろに離脱する。

なんだ、意外と勝てるかもな。






ドガッッッッ






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