第24話 装備

魔道具屋を出て、大通りに再び出る。

僕は今、強さによって個性を得ようとしているが、果たして強さだけで個性的になれるのだろうか。

と、いうわけで次にやってきたのは装備品店。

たとえ最強クラスの人でも見た目が初心者冒険者そのものだったらダサいだろう。

そうならないためにも装備品は大切だ。

店内には様々な鎧が立ち並び、プレートアーマー、チェインメイル、レザーアーマーのセットはもちろん、胸当てだけや手袋、ブーツなども売っている。

目に止まった銀貨五枚程度の黒い革手袋を手に取り、周囲を観察する。

今使っているレザーアーマーも少し小さくなってきてしまった。

買い替え時でもあるだろうし何より使いすぎてガタが来た。

軽い方がいいからレザーがいいんだけど…

かっこいいものがあった!

黒いレザーアーマーで、真っ黒というわけではなく革本来の色も感じさせる。

ゴテゴテとした装飾はなく、シンプルな胸当て、肩当て、篭手で構成されている。

更に近寄り、値段を見ると…白金貨一枚と金貨二枚。

ちょっと手が出ない。

魔道具店で使うはずだった分も合わせて金貨七枚ぐらいが予算なので厳しい。

まあ鎧はサイズはまだ限界まで来ていないから最悪使えるか…?

まあまずは手袋だけでいいか。

何なら攻撃は避けれるし弾けるし魔壁だってある。

ひとまず防御はそれらでなんとかなる。

新しい服ももらったし。

手袋を買い、店先で装着する。

この装備を新調したときのワクワク感はゲームでも現実でも変わらない。

よし、鎧を買うために貯金だ!

しばらくまた大通りを歩いていると、気づいてしまう。

やりたいこと、全部終わったわ。

どうしよう…


__________


今日は完全に休もうとしていたが、やることもないので結局森に来てしまった。

オークを木の上から探す。

今日は団長からもらった剣を使っていこうと思う。

おばあちゃんによると生きているらしいから、時々出番を与えないと不憫だからな。

一刀流のおさらいもできるからちょうどいい。

魔駆で近づき、首めがけて剣を横に振る。

なんの抵抗もなくするりと首は切れ、首はオークの体に乗ったまま。

シフォンがしていた解体の手順を思い出しながら解体をする。

…失敗したっ!

皮を削ぐときにナイフの刃をうまく沿わせることができず。皮が小さく切り取られてしまった。

最終的にはボロボロの皮と形の悪い肉塊になった。

実際やってみるとシフォンがいかにすごいかわかるな…

…なんかお土産を買わないといけない気がしてきた。

この前解体してもらってるときに僕がしたことといえばただ棒立ちで周囲を眺めているだけだ。

とりあえずお菓子を買っていこう…

ちなみにオークの素材は相場の半額ぐらいでした。ぐすん。

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