第15話
商務省の協力を得ることができたロイは外に出ると既に日が暮れ始めていた。今日はとても長い一日であった。
宰相府に戻ると迎えの馬車が来ており、屋敷に帰ることにした。
屋敷に戻るとカイルが既に帰ってきており、一緒に夕食をとることにした。
「カイル、今日はあの後どうしたのだ?」
「はい、お父様。今日は商務大臣に芋類の入手のために協力を依頼、あとは副大臣に庁舎の建設のために国土省との打ち合わせに行ってもらいました。」
「おぉとても充実しているな。商務省に行ったことにはかなり驚いた。協力を得られたのならば良い。」
「はい!」
カイルはとても嬉しそうに話を聞いてくれた。
「そういえばシーナに手紙を送った。お前が大臣になったとな。近く手紙が向こうからも届くだろう。」
「お母様に!ありがとうございます。」
ロイは感謝する。
その後もカイルとの夕食を楽しみ1日が終わった。
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次の日、ロイは朝食を終えすぐに宰相府の借りている会議室に向かう。
昨日、テレス副大臣に任せた庁舎建設の進捗を聞くためである。
ロイが部屋に着くと既にテレスが仕事をはじめていた。
「テレス、おはよう。昨日はどうだった?」
ロイがテレスに聞く。
「ロイ農務大臣、おはようございます。昨日の件お話しますね。」
テレスは笑顔で応えてくれた。
「ターナ国土大臣からは全面協力をしてくださるとのことです。早速土地の確保や設計などに動いていただいています。」
「なるほど、順調みたいだね。この件は引き続きテレスに任せるね。」
「承知しました。ロイ農務大臣。」
テレスが華麗に頭を下げる。とても可愛い。
報告を受けたロイも昨日のナリア商務大臣との会談結果を伝える。
「そんな条件を突きつけられたのですね。」
「まぁ、この計画は早く動き出さなければならないからね。仕方ないさ」
「そうですね」
テレスは少し心配のようだ。
ナリア商務大臣にこの計画も上手く操られる可能性もあるからだろう。
だがこの際ナリア商務大臣を頼る他方法は無い。こっちで手綱をしっかり握ておこうとロイは思った。
そんな話をしているとノックが聞こえる。
「どちら様ですか?」
ロイが聞くと、
「ナリア商務大臣の使いで参りました。」
「「えっ、」」
まさかのナリア商務大臣の使いが訪ねてきたのだ。
ロイは使いを部屋に案内した。
「ナリア商務大臣からの手紙にございます。」
「うん、届けてくれてありがとうございます。」
ロイは使いから手紙を受け取り、使いが部屋を後にした後、手紙を開封し読む。
「えっ!なんだって」
ロイは内容に思わず声が出る。
「ロイ農務大臣、どうされたのですか?」
テレスが聞いてくる。
「もう見つかったって」
ナリア商務大臣の力に驚くロイであった。
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