第25話

ロイはカイルと共に内務省にやってきた。

元々この日、カイルはカマル内務大臣と面会の約束があり、ロイはそれに着いてきた形である。


ロイはカイルについてカマル内務大臣の大臣室へと入った。

中ではカマル内務大臣がとても忙しいそうに様々な書類に目を通していた。


「カマル内務大臣、失礼する。」


カイルが声をかける。

するとあまりの忙しさなのかカマル内務大臣は驚きの声を上げた。


「わっ、ニルス財務大臣。いらっしゃってたのですね。おや、そちらの方はロイ農務大臣ですね。」


「カマル内務大臣、農務大臣のロイ・フォン・ニルスです。先日は挨拶ができず申し訳ありませんでした。」


ロイは一言詫びを入れる。


「いえいえ、急いで部屋を後にしたのは私ですから。内務大臣のラップ・フォン・カマルです。」


ロイとカマル内務大臣は互いに自己紹介をし、

カイルとカマル内務大臣の話し合いになった。


「カマル内務大臣、今日訪問したのはニルス領の領地代行運営の強化を願いにきました。」


「強化…やはりロイ農務大臣の影響ですか?」


カイルが訪問した理由は領地代行運営の強化であった。それも僕が理由である。


「はい、ロイが大臣になったことで王都に滞在することになります。また、私も親ですからロイについていた。まだ心配な事も多いですから。そうなると領地をさらに空けることになる。そのため強化をしていただきたいのです。」


カイルが説明した。


「ニルス財務大臣、事情は承知しました。すぐに対処しましょう。」


カマル内務大臣は承知してくれた。

その後、カイルとカマル内務大臣が話をした後、話は農業の話になった。


「ロイ農務大臣、実は農務省に共有したい情報があるのです。」


「はい、なんでしょうか?」


「実はこの書類に目を通していただきたい。」


カマル内務大臣はそう言うと書類を渡してきた。

そしてロイは目を通す。



「これは!」


ロイは思わず声を上げる。


「内務省でまとめたこのマーレ王国の気象や気候をまとめたものになります。植物は気温、気候に左右されると聞いています。必ず役立つと思います。」


「カマル内務大臣、ありがとうございます!」


ロイはとても喜んだ。

この情報があれば、どこでどの野菜を栽培できるのか、どういう気象傾向があるのかある程度知ることが出来る。

内務省は統計や王国の事務的な行政機関である。この国の様々な情報が集まる。

農務省としては内務省と仲良くしておきたいと思った。


この内務省訪問で得た情報で新たな分野にロイは足を踏み入れることになる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

貴族の息子に転生して農業します Nami @namisan1217

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画