第6話

ロイはカイルと目的のテーブルに向かうと先客が既に食事を楽しんでいた。

するとカイルに少し手前のところで呼び止められる。


「ロイ、あそこにいらっしゃる方は大公閣下だ。くれぐれも失礼のないようにな、そして、おやあれは…」


カイルはロイに気をつけるようにいると、目を細めてその大公閣下のとなりにいる少女に目をやった。


「ロイ、今日はどうやらご息女もいらしているようだ」


「大公閣下のご息女ですか」


「あぁ、確かお前と同い年のはずだ。まずは挨拶をしよう」


そしてロイはカイルと共に大公閣下に挨拶へと向かう。


近づくと向こうもこちらに気づいたようでこちらを向いて待ってくれている。


「ニルス公爵、これはこれはお久しぶりです。」


「サリス大公閣下、お久しぶりでごさいます。本日は私の息子も連れてきております。」


カイルが挨拶をし、ロイに挨拶するように促す。


「サリス大公閣下、お初にお目にかかります。公爵、カイル・フォン・ニルスが嫡男ロイ・フォン・ニルスでございます。」


ロイが膝をつき挨拶をする。


「ロイ殿、ご挨拶ありがとう。大公のロット・フォン・サリスである。」


ロット大公も挨拶をする。


ロット・フォン・サリス。このマーレ王国の貴族の頂点に立つ貴族家である。

マーレ王国、王家の分家にあたる立ち位置になる家でもある。その為、かなりの権力を持っている。公爵家も王家の血を引く家柄であるが格が違う。


サリス大公領は王都に隣接した領地であり、大きくは無いが30万人程が住んでいる。

王都に隣接していることもあり、ベッドタウンの機能も持っている。


そしてロットは隣にいた女の子を紹介してくれた。


「この子は私の娘、テレスだ。君と同い年だ。仲良くしてやってくれ。」


テレスという女の子も挨拶をしてくれる。


「テレス・フォン・サリスです。ロイ様仲良くしてください」


テレスは深々と頭を下げ、華麗に挨拶をした。

テレスは控えめに言ってめちゃくちゃ美少女である。

髪の色は綺麗な金髪である。

スタイルもよく、礼儀正しくも見える。


「ロイです。テレス嬢こちらこそ仲良くしてくださいね。」


ロイは笑顔で応じた。


その後少し、親は親同士で子供は子供同士で談笑をして、テレスとの距離も縮まった。


そしていよいよ謁見の時間となった。

謁見の間に声が響く。


「国王陛下、お出ましでございます!」


その声が聞こえた瞬間、各貴族が一斉に頭を下げる。


ロイも真似て頭を下げた。

すると玉座へと向かう足音が聞こえ、国王が玉座に座った音がした。


「皆、おもてをあげよ。」


国王の声が響く。


そして謁見の儀式が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る