第7話
国王の声がかかり、皆が一斉に顔を上げた。
ロイは初めて国王の顔を見た。
国王はとても優しそうなイケメンである。年齢もカイルより少し年上くらいの見えた。
ロイド・キラ・マーレ。マーレ王国国王である。
「皆今日はよくぞ参った。この国の将来を担う子供たちの顔を見ることができとても嬉しく思う。今日は楽しんでいってくれ。」
国王は一言挨拶をして、再び会食が始まった。
それと同時に各貴族の国王への挨拶も始まった。当然挨拶に行く順番は爵位によって決まっている。最初はロット大公家、そしてニルス公爵家はその次である。
ロット大公家の挨拶が終わり、ニルス公爵家の順番となり、カイルと共にロイは国王の元へと向かった。
「おお、カイルかよく来てくれた。そちらはそなたの息子であるな。」
「はい、国王陛下。ニルス公爵家嫡男のロイになります。」
「国王陛下、お初にお目にかかります。ニルス公爵カイルの子、ロイ・フォン・ニルスです。」
ロイが挨拶をする。
「ロイだな。覚えておこう。そなたはスキル授与の儀式でどのようなスキルを授かったのかな?」
国王はロイのスキルを聞いてきた。
この世界ではスキルによって評価が上がることもある。つまり品定めだ。
「はい、国王陛下。私は魔法のスキルを授かりました。」
「おぉ!魔法のスキルか!そなたは将来有望だな。カイルよ、よかったな」
「はい、陛下。ニルス家にとってとてもありがたいことです。」
カイルはこたえる。
その後少し、国王と雑談をし、この場を後にしようとした時、国王に呼び止められた。
「ニルス財務大臣、この後執務室に来てくれるか、」
国王はニルス公爵ではなく財務大臣という役職でカイルを呼び止めた。
その声にカイルは、
「承知致しました。陛下。」
先程までとは違い、とても真剣な顔でカイルはこたえたのだ。
これを見たロイはただ事ではないと感じ、この場を後にした。
その後、会食を楽しみ、様々な貴族と交流をした。中には、娘を紹介してくる貴族もいたが、カイルがいたこともあり、何とかやり過ごすことができた。
そして誰もいなくなった、謁見の儀式も無事終了し、ロイはカイルとともに国王の待つ部屋へと向かうのであった。
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ロイは国王の待つ、応接室に向かうため王城内を歩く。
王城内は貴族の屋敷とは違い、造りがかなり豪華である。ロイはキョロキョロ周りを見渡しながら廊下を歩く。
その様子を見るカイルは少し恥ずかしそうであった。
そして応接室へつき、カイルがノックをする。
「入りたまえ。」
部屋の中から国王の声がする。
そして中に入ると国王ともう1人40歳くらいの男性が席に座っていた。
「これは宰相もいらっしゃいましたか。」
カイルが口にする。
どうやらロイは国王、宰相、財務大臣という国のトップと同じ空間に同席することになってしまった。
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