第13話

ロイは万能スキルを使い、野菜検索スキルを作り出すことが出来た。


「ほんとにできるなんて、神様なんて力を…」


ロイは感謝するしかなかった。

しかし、この力は何でもできてしまう。注意しようと心に決めた。


そして野菜検索スキルを実際に使うことにした。

野菜検索スキルはまさに前世にあったスマートフォンに搭載された検索アプリみたいな感じであった。

検索欄に野菜の名前を入れると色々と情報が、出てくるようだ。


早速検索欄に芋といれて検索をかける。

すると情報が表示された。


芋類

主に根や球根が大きくなり栄養分が含まれた根菜類である。


主な種類

じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋


マーレ王国では主にじゃがいもが生産されているがあまり流通していない。


と表示された。

今回はその中で乾燥に強いさつまいもとじゃがいもを生産する計画だ。

じゃがいもは前世で主食として食べていた地域もある。

ちなみにこのマーレ王国では芋はスープに入れるか茹でて食べるかの2パターンしかない。


また、じゃがいもはこのマーレ王国で量は少ないが生産されている。しかし、さつまいもは見たことがない。

そこでロイは野菜検索でさつまいもの分布を調べてみることとした。


するとナリヌ教国で生産していることがわかった。


「なるほど、他国には存在しているのか…」


ロイは安心した。

しかし問題がある。なぜなら他国のものはなかなか手に入れることが難しい。前世ではすぐに手に入る環境が整えられていた。しかしこの世界ではそのような環境は到底整備されていない。入手方法をら考えなければならない。


「うーん、手に入れなければなにも出来ないしな。」


ロイはしばらく考え込む。

しばらく考えた結果、ロイはふたつの案が思いついた。

ひとつは外務省の他国訪問の際に入手してもらう方法。

もうひとつは商務省の流通網を利用することである。


1つ目の外務省の他国訪問は現地で入手してもらえるため確実性が高いが訪問する機会や日数など色々懸念材料がある。

そしてもうひとつの商務省の流通網の利用は有効であると言える。しかし、欲しい物があるか分からないという賭けの要素がある。しかも商務大臣はレイナ・フォン・ナリア公爵。ライバル視されている。


どちらを選ぶかロイは考える。

だが、時間は限られている。早く対策を打たなければ来年飢饉が起きかねない。

そしてロイは決めた。


「こんな時に好き嫌いは関係ない。商務省に行こう!」


ロイは覚悟を決めて、商務省に向かうのであった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る