第17話
ロイは農務省に戻ってきた。
テレスは国土省に打ち合わせに行っているのか部屋には誰もいなかった。
「さすがに誰も事務作業してくれる人がいないのはまずいな…」
ロイはさすがに人員を確保しなければならないと思った。
そこでロイはある場所に向かうことにした。
「すぐに人員を貸してくれて話しに行けるところってここしかないし…」
そうおもって向かったのは宰相の執務室である。
農務省は宰相府の会議室を借りているの状況である。宰相府の職員であれば不都合もない。
ロイは扉をノックする。
「どうぞ」
宰相の声が聞こえ、中に入る。
「おや、ロイ農務大臣でしたか。どうしたのですか?」
宰相は笑顔で迎えてくれた。
「すいません、突然押しかけてしまいまして。実は宰相にお願いがあり参りました。」
「ロイ農務大臣からお願い事ですか。」
「はい、」
ロイは宰相に訪問した理由を話す。
「実は宰相府から職員の方をお借りしたいのです。」
「なるほど、農務省にはロイ農務大臣とテレス副大臣しかいませんからね。」
「政策を進めるためにも、優秀なできる人をお借りできませんか?」
ロイは宰相に頼み込む。
「んー、宰相府もなかなか人をお貸しできるような状況にはないのですが、1人だけ明日からでもよろしければお貸しできます。」
「えっ、ほんとですか!その方で大丈夫です!ぜひ!」
「わかりました。すぐに明日から働くよう話しておきましょう。」
こうして1人人員を確保することが出来、ロイは宰相に改めてお礼をして部屋を後にした。
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次の日、ロイが農務省に出勤すると見知らぬロイより少し歳上の女性が部屋にいた。
ピンク色の長髪でとても大人っぽい美人であった。
すると向こうがロイに気づき挨拶をしてくれた。
「ロイ農務大臣ですね。ナリヌ・フォン・シーサの娘サリアと申します。今年で15になります。よろしくお願い致します。」
「えっ、宰相の娘!」
ロイは驚く。
昨日宰相が約束してくれた人はまさかの宰相の娘であった。また話を聞くところ、王立学園を今年卒業したそうである。
「ロイ農務大臣はまだ王立学園に入学する歳でもないというのに大臣を務めていらっしゃる。また副大臣の方も。どんなに優秀な方かと興味が湧き今回のこちらに来ることを決めました。」
「はぁ、なるほど」
「父からロイ農務大臣の政策は聞いております。私より歳下なのにあのようなことを考えつくとは驚きです。私は王立学園では行政について学びました。微力ながらお力になれると思います。」
すごくやる気のある新人サリアである。
ロイも少し嬉しくなった。
「サリアさん、すごくやる気がありますね。僕も嬉しいです。では、サリアさんには色々と事務作業や僕の補佐をやって頂きたいと思います。うーん、役職的には事務次官でどうでしょうか?」
「事務次官!いい響きです。しっかりと努めさせて頂きます。」
サリアはそういうと早速デスクワークに入った。ちなみに事務次官は前世でいうと事務方のトップにあたるとても偉いポジションである。
とても力強い仲間ができたとロイはとても嬉しい気持ちでいっぱいであった。
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