第16話
ナリア商務大臣からの手紙には依頼していた芋類が手に入ったとの情報であった。
「テレス、商務省に行ってくる!」
「はい、分かりました。」
ロイは慌てて部屋を出ていった。
商務省までは走っていく。は知れば3分もかからず着くからだ。
ロイはすぐに受付にいき、取り次ぎを依頼し、無事大臣室に案内をしてもらった。
部屋に入るとナリア商務大臣が優雅にお茶を飲んでいた。
「ナリア商務大臣、見つかったってほんとですか!」
「あら、ロイ農務大臣。突然来るなんて、少しは落ち着いたらどう?」
ナリア商務大臣に落ち着くように言われる。
ロイは1度深呼吸をしてもう一度聞く。
「ナリア商務大臣、先程頂きました手紙読みました。見つかったとは本当ですか?」
「えぇ、見つけたわ。今見せてあげる。」
ナリア商務大臣はそう言うと役人が部屋に入ってきてひとつの箱を置いていった。
「ロイ農務大臣、中をご覧なさい。」
ナリア商務大臣に言われロイは箱を覗く。
「こ、これは!」
ロイは思わず声を上げる。
中には3種類の芋が入っていた。
じゃがいも、さつまいも、里芋である。
「驚いているようね、」
「これが商務省の力ですか…」
「商務省の力…そうね。でもかなり苦労したわよ。今回は運がよかったわ。」
「運がよかった?」
「商務省としても干ばつ問題には色々動いていたのよ。その中で他国から様々な野菜を輸入していたの。その中にたまたまあったって事。」
「なるほど」
「まああなたが私を訪ねてこなかったら正直この芋に注目することも無く、すぐに国民に支給していたでしょうね。」
「そうなのですね。ありがとうございます。」
ロイはナリア商務大臣に感謝する。
「今回このじゃがいも、さつまいも、里芋をかなりの量を確保しました。あとは農務省にお任せします。ロイ農務大臣のお手並み拝見といきましょうか」
ナリア商務大臣は不敵な笑みを浮かべる。
ロイとしてはこんなにも早く芋を入手できるとは思わなかった。ここはナリア商務大臣を素直に認めざるを得ない。
「では、早速農務省として動きます。ご助力ありがとうございました。」
ロイはそう言うと大臣室を後にした。
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ロイ農務大臣が部屋を出ていった。
「これで私にもチャンスが回ってきたわ。」
ナリア商務大臣は1人で笑う。
「いつまでもカイルに先を行かれたままじゃたまったものじゃないわ。今回こそはギャフンと言わせてやるわ。」
ナリア商務大臣は1人息巻いていた。
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