第23話

農務省の庁舎の建設が国土省により進められている。完成までは約1年はかかる。国土省によると建物は25階建てであり、行政エリアにある各省の中で1番の高さになるという。これには理由がある。農務省の建設地は商務省の隣の広場である。この土地が他の省と比べて狭かったのが理由である。その為、かなりの高さになるという。

そして、テレス副大臣が農業局を主導し、芋の栽培計画を進めてくれた。

既に商務省が手に入れてくれた芋を植え終わり、収穫の時期を待つのみとなった。

これも農務省の人員確保をすることが出来た結果である。植える作業には国防軍の人員も貸してくれた。

宰相府と国防省には感謝しかない。

そしてロイは今日、ナスタ国防大臣、ターナ国土大臣、サリス外務大臣、財務大臣である父カイルと5大臣会合を宰相府の会議室で開催していた。

当然話は農業用水路及びため池の話だ。


「各大臣の皆さん、お集まり頂きましてありがとうございます。ご承知の通り、計画を進めていくにあたり、再度御協力頂きたい点をお伝え致します。」


ロイが言うと各大臣が頷く。


「まず国土省は王国各地の農業用地で設計計画などを進めてください。その後建設費等を算出してください。」


「うむ、わかった。」


ターナ国土大臣が言う。


「そして財務省には予算確保をお願いします。」


「わかった。だが、今までにないの規模の事業になる。国土省は逐次調査状況等を財務省に教えて頂きたい」


「ニルス財務大臣、承知した。」


ターナ国土大臣が約束をする。


「そして国防省には国防軍の建設に人員を動員、そしてナスタ国防大臣には各辺境伯軍の再配備をよろしくお願いいたします。」


「わかりました」


ナスタ国防大臣も頷く。


「最後に外務省には辺境伯軍の再配備により、防衛力の低下するエリアが生まれます。そのエリアと隣接する他国との調整をお願いします。」


「承知した。」


こうして各省、大臣との計画の確認をすることができた。


これで動き出そうとロイが号令を出そうとした時、会議室のドアをノックする音が聞こえた。

そして、とある人が入ってきた。


「おやおや、ナリア商務大臣どうしてここ

に?」


カイルが口を開く。


「大臣が5人も揃って話をしてるって言うから来てみたの。どうせ例の水路とため池の話し合いでしょ。私も聞いているわ。」


どうやら商務省にも計画の詳細は伝わっているようだ。


「でも、商務省としては今回の計画にあまり関わりはないんじゃないかな?」


「あら?そう?私としてはとても関わりがあると思うのだけど?」


ナリア商務大臣は自信を持っていう。


「そうですね。ナリア商務大臣。お呼びするのを忘れていて申し訳ありません。」


口を開いたのはロイだった。


「では、商務省には建設に必要な建設資材の優先的な提供をお願いいたします。」


その言葉を聞いたナリア商務大臣はニヤリと笑った。

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