第22話

国王と宰相から人員確保を約束してもらって1週間が経った。

その間、宰相府はとても忙しかったという。

農務省への人員確保の為、各省との折衝があったからだ。

その結果、各省から約150名の職員を農務省に移すことが決定した。

しかし、現在の農務省は宰相府の一室を借りて運営している状況であった。そこで宰相は臨時庁舎として王都カリーの行政を管轄する宰相府の第2庁舎を農務省に貸すことにした。

ちなみに宰相は王都の行政も管轄している。

これにより農務省のマンパワーは一気に向上した。

そこでまずロイが行ったのは、各担当部署を作ることであった。


農務省の中に農業局、畜産局を設置し、テレス副大臣が農業局を主導し、畜産局はサリア事務次官が主導する。

ロイはテレスとサリアの2人を大臣室へ呼び出していた。


「人員も確保でき、この度ふたつの部署を設置しました。農業局はテレス副大臣に主導してもらい、干ばつ対策及び芋類の生産計画を進めていただきます。その後はこのマーレ王国の農業振興を担当してください。」


「ロイ農務大臣、承知致しました。」


テレスが返事をする。


「そして、サリア事務次官には畜産局を主導して頂きます。この畜産局はマーレ王国の家畜の生産強化のために設置します。サリア事務次官は農務省の事務方を指揮する大変な立場も兼任していただくことになりますがよろしくお願いいたします。」


「承知致しました。責任を持って職務を進めます。」


サリアも返事をする。


「これでかなり事業も進むことになります。よろしくお願いしますね。さて、今のところ何か進んだ計画はありますか?」


ロイがこの場で合わせて聞く。


「はい、庁舎の建設計画で進展がありました。」


サリアが口を開く。


「国土省と話し合った結果、建設地が決まりまして商務省の隣にある広場に決まりました。」


「よりによって商務省の隣か…」


「はい、ですがこの場所であれば来週からにでも建設を始められるそうです。国土省が管轄している土地だそうで…」


「なるほどね、贅沢も言ってられないね。一等地なのは間違いないし、それで進めてもらって大丈夫です。」


「承知致しました。この後国土省に連絡しておきます。」


「ありがとう、サリア事務次官は何かありますか?」


ロイが聞く。


「はい、芋を栽培する農地を視察した結果を報告します。広さは栽培するのには十分でした。国土省としてはいつ栽培を開始しても大丈夫との事です。」


「サリア事務次官、ありがとうございます。では

この計画は農業局が進めることになるので、テレス副大臣引き継ぎをお願いします。そして引き継ぎの後、芋の栽培を始めてください。丁度時期としては大丈夫ですから」


「承知致しました。」


テレスが返事する。


「それでは各々よろしくお願いします。」


こうして、芋の計画が始まった。

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