貴族の息子に転生して農業します
Nami
第1話
僕は澤村直人、高校3年生である。
島根県にある出水農業高校に通っている。
周りは緑豊かな自然に囲まれ、農業が盛んな地域である。
僕の両親は農家で、お米を中心とした農業と畜産業を営んでいる。
小さな頃から農業に触れる機会が多く、自然と家を継ぎたいという思いがあり、高校は農業高校に進んだ。
農業高校の朝は早い。水やりや餌やりなどたくさんの仕事が朝からある。そのため毎朝授業の始まる1時間半前には高校に到着し、仕事をこなす。
しかし今日に限って僕は寝坊をしてしまった。
「参ったな、今日は追肥もしないといけないのに間に合わない、急がなきゃ!」
僕は家を急いで出た。
愛車であるママチャリをこぎ、高校を目指す。
急いで向かっていると交差点が見えてきた。
交差点に近づく。しかしあと100メートルのところで信号は点滅した。
当然いつもなら確実に止まる。しかし、今の僕には冷静な判断ができなかった。
(この通りは車通りも少ないし、大丈夫だよね)
そう思って僕は交差点に突っ込む。すると僕は横から強い衝撃を受ける。
あまりの衝撃に何が起きたのかも分からなかった。
その瞬間僕は意識を失った。
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僕は今暗闇の中にいる。
周りには何も無い。
聞こえてくるのは女性の声。
「ロイ!起きなさい!ロイ!」
ロイ、一体誰のことだ?
僕は冷静に考える。だが分からない。
「ロイ!もう、この子ったら…えい!」
その瞬間頭に痛みを感じ、視界が開けた。
「痛い!」
思わず声も出た。
その瞬間僕の頭の中に1人の男の子の記憶が流れ込んでくる。
ロイ・フォン・ニルス。
ニルス公爵家の長男で12歳の記憶である。
そして僕の目の前には今まで見た事のない世界が広がっていた。
部屋はとても豪華に飾られていてとてもお金持ちなのだろう。
「ロイ!やっと起きたわね。早く着替えなさい!間に合わなくなっちゃうわよ!」
声がする方を見るととても綺麗な女性が立っていた。
シーナ・フォン・ニルス
どうやら僕の母親のようだ。
銀色の髪でとてもスタイルがいい。
「お母様、痛いです。すぐに着替えるから外で待ってて!」
「わかりました!急ぐのよ!」
シーナはそう言うと部屋を出た。
僕は身なりを整えるため鏡を見る。
青色の髪に銀色の髪が少し混ざったとてもかっこいい容姿であった。
「良かった、かっこいい容姿で、でも転生したんだよね。澤村直人としての記憶もあるし、やっぱりこれって転生だよね?」
僕は再度確認する。
僕の前の記憶はあの交差点で止まっている。
あの時、やっぱりひかれたのかな?色々と考える。だが今はロイとしての意識がある。
ロイは身なりを整えると、窓から外を見る。
ロイの目の前には今までに見た事のない景色が広がっていた。例えて言うならば中世ヨーロッパのようだ。
「綺麗な街だ。」
そうつぶやくとまた声が聞こえてくる。
「ロイ!まだなの?急ぎなさい!」
シーナの声だ。
ロイは急いで部屋を出るのであった。
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