第4話

ロイは馬車で王都にあるニルス公爵家の屋敷へと向かっている。

その道中、王都カリーの街の賑わいに驚かされた。


人の数はもちろんだが、建物も高層なものが多い。

このカリーの街は大きく4つのエリアに分かれている。

まず街の中心に王城が位置していて、北側に貴族の屋敷を中心とした貴族エリア、東側には省庁などの行政エリア、南側には一般市民の居住エリア、西側には商業エリアが位置している。

ちなみに先程までいた教会は商業エリアに位置している。商業エリアに教会があるのは人の行き来が多いためだ。


貴族エリアに向かう道中、街の中心にある往生がよく見えた。

純白でとても巨大だ。高さもゆうに100m以上あるだろう。

謁見も当然この建物で行われる。

ロイはとてもワクワクした。


そして馬車は貴族エリアに入った。

貴族エリアは防犯上柵で囲まれており、エリアに入る入口も2つと限られている。

入る時には当然チェックが入る。ロイを乗せた馬車はチェックに合格し、すんなり貴族エリアに入ることができた。


貴族エリアも規模がかなりすごい。

まず屋敷の大きさだ。爵位に応じて大きさ当然変わるが、それでもかなりの大きさである。


そしてその中でも1.2を争う大きさの建物の前で馬車は止まる。

ニルス公爵家の屋敷である。


「なんだ、この大きさは!」


ロイは思わず声が出てしまう。


ニルス公爵家の本邸と同程度の大きさの屋敷だったのだ。驚かずにはいられない。


「ロイ、驚いたろ。何故ここまで大きいかわかるかい?」


「いいえ、わかりません。」


「そうか、なぜかというとな、王都ではこのマーレ王国の貴族が一同に集まる唯一の場所だ。当然貴族同士の交流もある。中でも我が家は公爵家である。人の出入りは頻繁であるし、公爵としての立場もあるからな。ここまで大きいのだ。」


カイルが説明してくれた。


「なるほど、貴族もたいへんだ、」


とロイは思った。


ちなみにこのマーレ王国には63家の貴族が存在する。

大公家1家、公爵家2家、侯爵家4家、辺境伯家4家、伯爵家6家、子爵家13家、男爵家33家である。準男爵家、騎士爵家もあるが格下貴族であり、国王に謁見することはできない。

一方、男爵家以上は謁見が許されている。

また、伯爵家以上を上級貴族、それ以下を下級貴族という。

その中でも、大公家と公爵家は国王の遠戚であり、権力も持っている家となる。


ロイは屋敷に入り、自分の部屋へ案内される前にカイルと少し話をした。


「ロイ、明日はいよいよ国王陛下との謁見だ。しっかりと休むようにな。あと、明日の謁見にはほかの貴族の子供たちも来る。振る舞いしっかりとな。見定めの場ともなる。」


「見定めですか、」


「そうだ、見定めだ。スキルのことも当然聞かれるし、まあ、将来の婿、花嫁みたいな話も出るだろう、」


「えっ、そんな話まで…」


「まぁ、大丈夫だ、今夜は休みなさい」


カイルはそう言うと自分の部屋へと向かった。


ロイもカイルを見送ったあと自分の部屋に行き、ぐっすり休むのであった。

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