概要
ラジオから流れる、聴こえてはならないはずの声
世界を騒がせたパンデミックがようやく終息しかけた大学三年の夏。僕、鍜治隆弘はひさびさに九州の実家に帰る。幼少時に慕っていた伯父・知明の死去からは、葬送や追悼に参加できないまま一年がたっていた。
形見の一部について受取人に指定されていると聞かされ、伯父の遺した家を訪れた僕は、従妹の香苗から1970年代の古いラジオを渡される。それは、伯父が生前没頭していたBCL(Broadcast Listening)の機材だった。
ラジオと共に添えられていた「ベリカード(受信確認証)」を興味津々で整理していた僕だったが、奇妙なことに気づく。
それらのカードの中には数枚、電離層の反射を考慮しても到底受信不可能な地域を発信局とするものがあったのだ。首をかしげる僕の周辺に、やがて不審な人々が出没し始める――
形見の一部について受取人に指定されていると聞かされ、伯父の遺した家を訪れた僕は、従妹の香苗から1970年代の古いラジオを渡される。それは、伯父が生前没頭していたBCL(Broadcast Listening)の機材だった。
ラジオと共に添えられていた「ベリカード(受信確認証)」を興味津々で整理していた僕だったが、奇妙なことに気づく。
それらのカードの中には数枚、電離層の反射を考慮しても到底受信不可能な地域を発信局とするものがあったのだ。首をかしげる僕の周辺に、やがて不審な人々が出没し始める――
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