第7話 生徒会


 学校という集まりには風紀を正す役割を持つものがいる。

【生徒会】

彼らは学校の法律のような存在であり、学校の乱れを正す者達である。

生徒会は三人で構成されている。その者達を紹介しよう。


【正規院 六(せいきいん ろく)】


彼は生徒会の会長である。会長ということは代表ということであり。生徒会といえば彼。彼といえば生徒会と言ってもいいだろう。

彼は少しの乱れも許さない鬼の生徒会長と呼ばれる。

彼は見た目にかなりの特徴がある。髪型は七三分けと呼ばれる髪型で眼鏡は漫画でしか見たことないレンズにぐるぐるが描かれている眼鏡をかけている。レンズはめちゃくちゃ分厚い。ものすごく目が悪いのだ。目が悪いというか眼鏡なしではほぼ何も見えていない。それでも嗅覚に優れており。例え、眼鏡がなかったとしても学校内の悪い匂いは鼻で嗅ぎ分ける。


【水辺 キリ (みずべ きり)】

【水辺 マリ (みずべ まり)】


この2人は双子である。この2人は生徒会長の側近である。

普段は可愛らしい女性であるが、一度生徒会の仕事を始めると“仁王像”のような顔と見た目に変わる。というかほぼ仁王像になる。何故、そうなるかは不明で仁王像状態の時は声もどこから出しているのか分からない声になり、圧倒的な威圧感と俊敏さで学校の乱れを正していく。

そんな生徒会達にもあの魔王の噂は届いていた。



 生徒会室にて。


「さて、今日は最近現れた魔王について議論したいと思う。キリさん、マリさんは魔王についてどう思いますか?」


「乱れです」

「乱れです」


「そうですね。たしかに乱れです。この乱れをどう正しますか?」


「排除」

「排除」


「そうですね。では行きましょうか。魔の者討伐に」

と生徒会長は言い、仁王像になったキリマリを連れて生徒会室を出た。




「おい、あの状態っていつも思うけどどうなっているんだろうな」

と田中がキリマリを指さして話しかけてくる。


「たしかにどうなんだろうな。あれって本当にどこからどう見ても仁王像だろ?服とか見た目も声も身長違うもんな。どういう原理なんだろうな」

普段身長が150センチ程度のキリマリが生徒会の時だけ2メートル超えるのは摩訶不思議でしかない。


「今日は魔王は来ないのですか?」

と生徒会長が言う。


「いや、わかりません。わたくし達もいつ来るのか分からないのです」

と委員長が答えた。そう答える委員長の口の周りは米だらけだった。

委員長は丼ものが大好きだった。今日の給食のメニューは牛丼があり、丼ものの時はいつも綺麗に物事をこなす委員長が野生と化す日であった。いつも通りの言葉遣いで立ち振る舞いも変わらないが牛丼を食べる時だけご飯を物凄いスピードでかき込む。ギャップが凄い。


「すごい勢いだな。わかった。では我々も少し待ってみよう」

と生徒会長は少し委員長が米をかき込む姿に引いていた。

この日の給食は味が分からなかった。何故なら

仁王像が外にいるからだ。この2メートルを超える大男のような見た目の女性が2体もいて、それにあのモードのキリマリは威圧感がとんでもない。一度社会見学で動物園に行った時、何かのタイミングであのモードになった途端動物園の動物達が一斉に叫び声をあげて檻の中で騒ぎ檻の隅に逃げていったのを覚えている。

そんな中で食べる食べ物の味は分からない。ただ、この状況の中でも委員長は1人無心でどんぶりをかき込んでいた。


給食終了の音楽が流れる。


「今日は来なかったようですね。学校の乱れは少しでも消していかねばなりませんのでまた来ます」

と生徒会長は言い。その場を離れた。仁王像状態のキリマリも後に続く。



「味が分からなかった」

と田中が言う。


「たしかに。なんだあの威圧感は。魔王と同じぐらいじゃないか?」


「たしかに。魔王もあれくらいあるかも。魔王がいる時に仁王像もいたら威圧感が凄そうだな」


「あー。想像したくない」

と言いながら近いうちにそうなるだろうなと確信していた。







 魔王の洞窟。


「魔王はいるかー」

と勇者がやって来ていた。


巨人が対応する。


「なんだぁ。またお前か。今日はハンコはどこに押す?」


「あ、ここでお願いします」


「いつも暑いのに大変だね」


「いえいえ。では確かにいただきました。ありがとうございましたー!」

と言い去っていく勇者。


勇者は体を捻り、こちらにツッコミを入れるフォームしながら叫んだ。


「いや、宅配じゃないから!!!!」


「宅配じゃないの?じゃあ何?」


「勇者だ」


「牛の家?」


「それは牛舎だ。勇者」


「針が痛いから嫌いです」


「それは注射。私は勇者」


「着物がよくお似合いで。今日は舞をやってくれるんですか?」


「それは芸者。おいおい。なんだこれは」


「え、何って?」


「魔王はどこだ?」


「魔王様は買い物に出ています。」


「買い物?いつ戻る?」


「分かりません」


「なんだそれ。じゃあまた出直す」


「あー不在票は?」


「ない!」

と強く言い、勇者は帰っていった。



 どこかのデパート。

魔王はデパートのおもちゃ売り場にいた。ガチャガチャをやっている。デザートをミニチュアにしたキーホルダーのガチャガチャをやっている。


「出ない」


と言い。またお金を入れて回している。かなりの数のカプセルを抱えている。ガチャガチャのラインナップを見るとフルーツポンチがある。


魔王はガチャガチャでもフルーツポンチを手に入れることが難しそうだ。頑張れ。魔王。

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