第2章第2話「少女は信じる」

翌日。

「どうしよう」

彼は、私の対象を考えていた。

「私は大丈夫だから。」

そう言うけど、彼は断固として、聞かない。

「それ何回聞いたと思ってる?そろそろ聞き飽きた」

「…」

「はぁ、面倒だが、アルク王国に行くか。」

アルク王国。聞いた事がある。偽りの国。

政治や、王国自体は良いが、人間に問題があるらしい。

「行くぞ。」

彼は私に手を差し伸べる。

まるで、暗闇に光が差すように。

「…」

私は、光に手を伸ばした。

歩いて行く事に、光が近くなるような感覚になる。でも、

「おい」

その声で、光が消えた。まるで、ドブに落ちたみたいに、暗闇に、落ちていく。

「そいつはちっと、売りもんなんだ。」

「そうか。でも、欲しいんだ。金なら払うぞ」

「いやぁぁ、そんな事出来ないんですよぉ。なんでか、って?そ れ は〜もう、予約それるんだよ!残念でしたぁぁあ!そいつは、

デブで、ブサイクで、貧相の無いクソ野郎に好かれるんだよ!お前よりも金のあるやつだぁぁぁぁ〜。お前には出せないような金額を出してるお貴族さまなんだよ!て事で、お前用無し。殺れ。」

「逃げて!」

「遅ぉぉい!」



何が起きたか、分からなかった。

アイツらが、襲って来たと思ったら、

アイツらは地面にいた。

「な、何が起きた、何をしたんだ!?」

「何も」

「お前、まさかぁ!まさかまさかまさかまさかぁぁぁ!勇者かぁ!?」

「あぁ。」

「無い!情報にぃ!そんなのは無い!お前、何者だ!なんで、お前はぁぁあ!」

「何者でも無いよ。」

その瞬間そいつは、上に行って、

また、地面にいた。

今度は、叩きつけられた。

「くっ、」

「もう、関わるな」

「くっ、くく、ははははははははは!」

「う し ろ 、見てみろぉぉお?何があるぅぅ?」

「!?」

「何も!ありませぇぇぇぇん!あいつも、今倒した奴らもぉぉお!」

「何をした!?」

「何もぉ!?あいつは、自分の意思で、隠れたんだ、今もどこかで聞いてるんだろうなぁぁあ、さぁて、俺と、お前、どっちが早く見つけれるか、試して見ようぜぇぇ!」

「良かった。」

その言葉を聞いたら、胸がキツくなった。

やっぱり…。

「あの子がいたら、お前を、殺せなかったから。」

「おい、やめ、なに、しやが、はぅ、やめ、て、くださぁ…」

私は骨が砕ける音を聞いて、すぐ逃げた。


あの人は、優しい。

極限状態にいても、私の事を考えてくれた。

あの人は、初めて、

いや、もう、会えないか。

私が通った後には、水滴が、落ちていた。

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