第2章第3話「少女は覚醒する。」

「…」

私はずるい。いつも逃げてばかりだ。

でも、これで良かったんだ。

「良かった。見つかった」

「…」

彼は、優しすぎる。

「何で、」

「?」

「何で、私に構うの?」

「そうだな。理由は無いよ。」

「じゃあなんで、」

「でも、ほっとけないんだ。」

「…何それ」

「アイツが言ってた。お前は魔法が使えないらしいな」

「…そうだけど」

あぁ、絶対呆れられた。

いくら、彼が優しくても…。

「懐かしいなぁ。俺も、魔法使えない時あったんだよ」

「えっ?」

衝撃だった。まさか、彼が使えないだなんて。

「その後、使えるようになったけどさ、遠くまでとばないから、どうしようと思ってたんだよ。」

「どうせ、嘘でしょ」

あぁ、出てしまった。私の本性が。

「皆そうやって、嘘ついて私を貶めようとして」

止まって。

「もう、人を信じれないの」

本当に、止まって。

この人だけは、彼だけは、

私が信用出来た、唯一の優しい人なの。

「そうか。なら、俺だけを信じてくれよ」

「!?」

「他の人は、信じなくていい。でも、俺だけは信じてくれ」

「…」

「あと、君は、他に才能を持っているかもしれない」

「えっ?」

「俺も、スキルが2個あるんだ。だから、君もそうなんじゃないかな?」

「そんな事無い。私の名はクロ。歴代の魔女の名前。神より恐れられ、人々に死をもたらせた。そして、私のスキルは、【『黒魔女の呪い】黒魔女は、魔女の名前クロから取られた。そのスキルは、魔法が使えず、何歳かで、死ぬというもの」

「そうか。俺は、【『気圧』を操る能力】だ。あと、【鑑定】」

「何そのスキル?」

「まぁ、おいといて俺は【鑑定】のLvMAXなんだよ。もしかしての二個目のスキル。見てみたくないか?」

「…それでもし、無かったら?」

「俺が一生守ってやる」

「…じゃあ、やる」

「それじゃあ」

彼が手をかざして「【鑑定】」

と言った途端、空中に文字が浮かび上がる。

「これは…」

「えっ、もしかして悪かった?」

「いや、逆。いや、同じ。善し悪しがある」

「つまり…?」

「おめでとう。スキルが三個もある」


「探せ!アイツは、どこだ!?」

「どこにもいません!」

「いるぅぅ!絶対にぃいい!探せぇぇ!」

「は、はい!」

「俺を苦しませた罰だ。せいぜい後悔しろ」


「スキルが、3個も…?」

「ああ。でも、本当に善し悪しあるんだよ」

「何があるの?」

「【白龍の呪い】

白龍が呼べる。力の代償の代わりに不老不死、婚約交際出来ない。

【黒魔女の呪い】

魔法が使えない。更に、13歳で死んでしまう。

【英雄の加護】

悪い気を近づかせない。幸せにする」

「すごい…!」

「【勇者の力】は、俺が掛けといた」

「ありがとう。でも、死ぬのは、いつなんだろう。」

「不老不死もあるし、まぁ、生活に支障は無いと思う」

「そう、でもこの、【白龍の呪い】の、婚約交際出来ないのは、何で?」

「それは、俺も分からん」

娘が心配な父親見たいな感じか。

「これでクロがすごい才能を持っていることが分かった。それじゃ、アルク王国に行こう。早く逃げて新しい生活しようぜ」

「うん」

「みぃつけ、たぁぁぁ。」

「!?」

「はははははははは!その驚いた顔、面白いなぁぁぁ。どうだ?生き返ってやったぜぇ」

「なんで!?」

「俺のスキル【復活】のお陰だよ。何度殺されても、何度死んでも、生き返る。永遠なぁぁぁあ!」

「かは!」

「俺は、スキルも大した事ない!魔法もろくに使えやしない!それを当然のように、ゴミ扱いする人間共が大っ嫌い何だよ!」

「【白龍の呪い】」

「!?何だぁぁ?お前。スキル使えな」

その瞬間彼の頭が飛んだ。

「…!」

白い翼、白い体、全部が白い、白龍に、

扱い主さえも、圧倒された。

「ざぁんねぇん。死んでません。」

「何で!?」

「俺のもう1つのスキル【不老不死】死ななぁい、死んでも〜復活する。痛いがな。俺はもう、400年はいるからな。慣れたんだよ」

「クロ。目、瞑ってて。あと、耳も。白龍に守って貰いながらな」

「何する?俺に攻撃は、」

その瞬間グシャ!と音がした。

「きか、」

その後も、

「ない」

グシャ!

「だ、」

その次も、

「よ」

グシャ!

グシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャグシャ

音は一旦止み、

「いた、」

彼が「い」を発する前に

またグシャと音がした。

「ファイヤ」

そいつが燃えて、

「熱い!熱い助け!」

グシャ!と音がした。

その時視界が暗闇になり、翼が、羽ばたく音で、邪魔された。

多分、グロいのだろう。

それは、2時間続いた。


私達はそれから、アルク王国に着いた。

「王様、この子の事お願いしたいんだけど」

「?見えませんけど…。」

「ほら、出ておいで。」

「…」

「…!その子は?」

「クロ。孤児。以上。」

「黒魔女と同じ名前に、同じ格好。顔も似ている。」

私は黒装束、白髪の、格好だった。

「…」

「一応、髪は染めた」

「どこがですか」

「いやぁ、変わんなかったんだよ」

「はぁ、ま、良いですよ。」

「ありがとう」

「…、私この人信用出来ない」

「俺はこいつは信用出来るやつ…だと思う」

「そこは、言い切ってくだせんか?」

「ユウが言うなら信じる」

「酷い…。」

「この子人間不信何だ」

「そうですか」

「おっと、そろそろ行かなくちゃ」

「待って。」

「クロ…何だ?心配なら、白龍がいるから大丈夫だろ」

「私にはいらない。ユウがいるから」

「白龍に失礼だぞ」

「でも、いらない。婚約交際出来ないなんて、私、ユウの事、好きなのに。」

「ふーん…。え゙?」

「だから、行かないで。 」

「クロ、白龍が…」

「グルルルル…」

「ひぃ!」

「いいじゃん。ギュー。」

「ちょ、」

『クロがどいたら、お前を殺す』

「今、殺人予告された!白龍さん!辞めて!俺、あ、あれだからな!ドラゴンスレイヤーだから、」

『関係ない』

「クロ、最期のお願いだ。離れてくれ。」

「後、十分。」

「えっ。」

その後、ユウは、白龍に睨まれながらも、耐えてくれた。

その後、出かけるらしい。

「ユウのご冥福をお祈りします」

私の恋心は、まだ、終わらない

              -第2章[完]

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