第5章第2話「彼女は馴染めない」

Day.1

町中は静寂に包まれ、逆に恐怖を引き立てるような雰囲気の中、私たちははしゃいでいた。

「建物や、食べ物への被害を最小限に抑えておいて正解でしたね」

「そうだな」

「にしても本当に静かだな。我はうるさい方が好きだぞ」

「そうだろうな」

「どういう事だ!我を何だと思っている!」

「ただのうるさいやつ」

「何だと!」

…本当にうるさいなぁ。

Day.2

このパーティーに入ってから仲間達に何かしら嫌な思いを抱いている。

中々、心が通じれない事がある。

特に、リーダーのユウというやつ。

あいつは…!

「どうしたのだ?難しい顔をしているぞ。」

「デンさん。いえ、何も」

「そういえば、名前を聞いてなかったな。何と言うのだ?」

「ジンです」

「そうか、ジンか。突然だが、もしかしてユウを信じれないか?」

「な、なんで?」

「我もそうだったのだ。いや、今も信じれておらん」

「じゃあ、何で?」

「我の親友が、信じなくてもいい、だんだんと信じて行けば良いと言ってくれてな」

「…」

「貴様は出来ないのかもしれないが、なら、我を信じよ」

「デンさんを?」

「あぁ、ユウを信じなくても、我を信じてくれ。同じ女だ。仲良くしよう」

「キュン…」

「?」

「あ!な、何でもないです!」

「顔、赤くなっとるぞ。大丈夫か?」

「は、はひ!顔、ちかっ、」

「なんじゃ?」

「プシュー、」

「な!ジ、ジン!どうしたのだ!」

私は一日、倒れ込んだ。

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