第1章第4話「主人公、スキルを手に入れる」

「これは、ここ。これは、そっちか。」

「勇者様、何してるんですか?」

「区別だ。」

「…。一見すると、同じに見えますが…。」

「そうだな。だけど、中身が違うんだよ。」

「そうなんですか?」

「こっちがゴブリンで、こっちが、大ゴブリン。ゴブリンの素材分けは慣れてきたもんだ。」

「…。ちょっと、待っててくださいね。」

「?」

数十分後。

「何を連れてきたんだ?」

「鑑定士です。」

「何するんだ?」

「まぁ。いいですから。」

更に数分後。

「スキル二つ…。」

「えっ?珍しいの?」

「はい。」

「へー。で、何?」

「鑑定です。」

「おー。」

「これは元から付いていたみたいですね。」

?でも、あの王国では、一つしか話されなかったな。何故だ?

「鑑定士のLvが高くなると、詳しく調べられるようになります。なので、腕の高い鑑定士を連れてきたんです。」

「そうか。」

だからか。あの王国、本当に大丈夫だろうな。

「それで、それはLv何からとか決まってるのか?」

「はい。Lv3になると。数字だけ聞くと簡単なようですが、結構長い道のりですよ。」

「で、俺のは?」

「…。LvMAX…。」

「論外!?」

「あなたは人を卒業しましたね。」

「やめろ。俺はまだ、化け物じゃない。」

「『気圧』を操る能力?これは何か分かりませんが、これも、MAXですね。」

「うげ、」

「もぅ、あなたは本当に。どうなってるんですか。」

「いやー。」



「なぁ、俺他の王国に行きたいが、近い所は無いかね。」

「それならフテリア王国に行くといいですよ。高ランククエストもあるのでとても良いですが…。」

「?何か問題でも?」

「そこは裏社業の国として有名です。せめて、犯罪事には巻き込まれないでください」

「分かった。気をつけとく。」

「それでは、さようなら。」

「あぁ。暇になったら、またここにくる。」

「はい。分かりました。何時でも歓迎の準備をしておくので、帰る時に、通信をくれると嬉しいです。」

「通信?」

「そこに、箱型の建物があるでしょ?あそこに入って、硬貨を入れると、通信といって、相手と話せるんです。」

なるほど。公衆電話みたいな感じか。

「分かった。」

「気を付けて。」



「どこへ行った!?」

「探せ! 」

「はぁ、はぁ」

「ち、見失った。お前はこっちを探せ。俺はあっちを探す。」

「分かった。」

「はぁ、はぁ誰か、」



「助けて」

       第2章開幕

              -第1章[完]

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