第4章第2話「それでも彼女は信じない」

Day.2

「なぁ、サクタ」

「?」

「あやつ、ユウは本当に勇者か?」

「さぁ?」

「あの所で死んだのは全員で8人だ。気絶で済んだのは、7人。担当から言うと、ユウが全員殺した。」

「…ですが、」

「我はユウを信じれん。あやつは、例え勇者でも、人の心が無い。分かるだろ?」

「何となく、だけど。最初僕もあの人を信じれなかった。でも、助けてくれたんだ。だから信じなくても、いいんじゃない?少しずつでも、信じていこう。」

「…それもそうだな。ありがとう」

「どういたしまして」

Day.3

「クエスト行くぞー。準備しろー」

「我はいい」

「なんで?」

「ちょっと具合悪くてな」

「女の子の日か?」

「貴様、次そんな事言ったら殴るぞ。そしてよく聞こうと思うな」

「俺にデリカシーないから」

「優しさを知れ」

「俺優しいよ」

「な訳、」

「いや、本当だって」

「まぁ、いい行ってこい」

「あぁ」

ガチャ


「はぁ、行ったか」

信じなくてもいい。慣れて、それからでも。

そう思うと自然に心が軽くなる。

「…」

でも、やる事が無く、暇だ。

外にでも出るか。あやつらは遠くに出ているから会うことは無いであろう。

「はぁ、」

でも、あやつ。風神を操るユウとやら、

あいつからは、とてつもないほどの魔力。

否。殺気を感じる。何故そんなものが、

そう考えていたら、誰かが話しかけてきた。

「お嬢さん」

「なんじゃ?」

「勇者の連れかい?」

「そう、いや、我も勇者だ」

「そうか、勇者の男性で、」

サクタか?

「名前は、知らん。ただ単に勇者と言って去っていってしまった」

「あやつがどうした?」

「この前、優しくして貰ったからな」

「へぇ」

あやつがそんな事を…。

「三人いたが、全員勇者か?」

「あぁ」

「勇者の中の背の高い人だ。例を言ってくれ」

「!?」

一番背が高いのはユウだ。

つまり、さっきのはユウがやった事だ。

「頼んだぞ」

「あ、あぁ。分かった」

そうか。あやつは、そんな事を…。

あやつは、優しいんだ。

「ま て」

「?」

「勇者だなぁぁぁ?」

「そうだが?」

「そうかぁぁぁ、そうかぁぁぁ!で!?他の奴らは!?」

「遠い所だが、それがどうした?あいつらの知り合いか?」

「あぁ、さんっざん、傷つけられてぇぇえ!何回も殺されたんだぁぁあ!忘れるわけねぇだろぉぉぉ?」

「貴様ら、まさか!」

「御明答。魔王を援助する組団。魔援だ。やれ!てめぇらぁぁ!報酬は最初に殺した奴だぁぁぁぁ!」

そして、我は囲まれた。

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