概要
今日の空は、綺麗だったね――。
ウクライナからの難民、レーシ・シェウチューク少年は爆撃から避難する際、幼い妹を連れた母親と離れ離れになる。別れる直前、母が「お父さん」と叫んでいたことから、フィンランドで学者をしている父の元に行けば何か解決するのではないかと思う。しかし北に向かう手段がない。そんなレーシ少年に声をかけたのは、「車で世界を旅している」という日本人女性フユコで……?
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!きっと空を見上げたくなる、穏やかで優しい旅路
戦争の混乱で、家族と離れ離れになってしまったウクライナの難民・レーシ少年と、一人ぼっちのレーシに寄り添ってくれた日本人女性・フユコが、車で共に旅をしながら、行く先々に根付いた文化や信仰、人々の思いに触れていく、ヒューマンドラマ中編です。
二人の旅のゴールは、フィンランド。そこにいるというレーシの父親を捜す旅路は、晴れ渡った青空のように穏やかで、戦火が生んだ家族との別離の悲しみが、少しずつ癒されていくように感じました。
物語じゅうに散りばめられた謎たちと、豊かな知識の数々も必見です。異国の地を渡り歩いた経験を、丁寧な下調べに基づいて編み込まれた文章は、非常に読み応えがあるものでした。私が特に…続きを読む