これは四人の男女が紡ぐひとなつの命の物語。
昨日と同じような一日を、今日も生きる僕に生きてる意味なんかあるのだろうか。
変わり映えのしない毎日に、人生に、響は嫌気が差していた。ある日、いつものように憂鬱とした気持ちでホームで電車を待っていると、目の前を通り過ぎた一人の少女が電車に飛び込もうとしていた。響は咄嗟に彼女の命を救い、二人は同じ高校だったということもあり、次第に心が惹かれていく。
だが、彼女には秘密があった。
そして夢があった。
「__私はくらげになりたいから」
波の狭間に声を落とすように、彼女はそう口にした。
これは、響と彼女、そして響の友人二人が紡ぐひとなつの命の物語。