わたしはくらげになりたいから。淡い色彩の中紡がれる青春。

くらげのように、ふわふわとした読後感だと思いました。

絶望や、やるせなさもある。
それなのに、高校生4人の日々はきらきらと輝いて眩しい。それだけでなく、4人が常に美しい風景、色彩の中にいるのがとても印象的でした。それぐらい情景描写がとても素敵なのです。
基本的には響の視点で描かれていくのですが、途中で誰かの日記が挟み込まれ物語を読む手が止まらなくなります。読者を引き込む構成も素晴らしいです。

この取り止めのない感情、何かに似ているな……と考えていたらそれが「人生」なのだと気がついたのは随分後になってからでした。
この物語には人生の喜びも悲しみもドキドキも……全てが詰まっている。そんな気がします。

儚げな少女、海月の「私、くらげになりたいから」とはどういう意味なのか。そして彼女の抱える秘密とは?

是非あなたの目で淡く美しい景色と共に4人の青春、いや、人生を見届けてください。

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