タイトルも情景描写もキャラクターも、全てが美しい。

眩しくなるほど甘酸っぱい青春小説です。

海月という重い荷を背負う女の子に、彼女を取り巻く魅力的な登場人物たちと、その眩しくなるほどの人間関係。
表現される心理描写は独特かつ繊細で、瞬く間に物語の中へと引き込まれてしまいました。

そして場面ごとに描かれる風景描写はどれも丁寧で、至る所で青春を想起させられます。
おばあちゃんの家や岬など、脳に刻まれるほど印象的です(笑)

くらげの生態説明から始まるプロローグ、物語は、散らかることなく綺麗にまとめられ、どうにも考えさせられる結末へと至り……。
万人が納得できる終わりではないと思うが、だからこそいつまでも余韻が残り続けます。

ぜひともおすすめしたい、素敵な小説です。

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