「私はくらげになりたいから」……切なく美しい、ひと夏の物語。

高校生の響はある日、線路に飛び込もうとする一人の少女を救います。
「私はくらげになりたいから」
そう語る少女は何か秘密を抱えている様子です。少女と響、友人たちのひと夏の物語は、どのような結末を迎えるのでしょうか。


月並みな表現ですが、本当に美しい物語です。
色や形が鮮明に浮かぶような日常の風景や、主人公響や友人たちの心の揺れ動きが、上質で美しい筆致で描かれます。
この作品を読んでいて、映画のワンシーンのような映像が脳裏に浮かんだのは、私だけではないはずです!

また、数々の伏線が自然な流れで回収されて、徐々に真実が明らかになる展開に、ページを捲る手が止まらなくなりました。
少女の行動の理由が一つ一つ判明するにつれ、胸を打たれ、彼女のことがどんどん好きになっていきます。

物語の最後に彼らが選び取る結末には、涙が止まりません。

ゆっくり時間がある際に、どっぷり浸りつつ一気読みしたくなる作品です。

老若男女問わず、多くの方々におすすめです!

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