概要
彼は───二十八歳にして、女の手も握ったことのない、清い男だった!
それが上司命令で縁談することに!
しかも相手は「鬼より怖い」と評判の女であった……。
バトルあり、ハードな世界観に極上の恋愛をご用意しております。
カクヨムコン9参加作品です。
(中間選考通過しました。)
この物語は架空です。実在の人物、民族に関係はありません。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!舞うは花、咲くは想い。遅めの春が、やって来る
朝廷側の軍指揮官として、最前線にて蝦夷の軍勢と戦う益荒男・真比登。
戦場では鬼神の如き強さを誇る彼に、一つの縁談話が持ち上がる。
けれども、真比登は恋には奥手なタイプ。その上疱瘡持ちということもあり、自らに対して強い劣等感や嫌悪感を抱いていた。
更に追い討ちをかけるように、縁談の相手として持ち上がった奈良の都帰りのご令嬢・佐久良売が、どうやら一筋縄ではいかないお相手のようで──
というのも佐久良売嬢。珠の如く清らかなる美貌とは裏腹に、四度の縁談を全てその場で破談にしたという武勇伝が伝わる、烈火の如く激しい気性の持ち主だったのである。
二十八歳の真比登と、二十三歳の佐久良売。まるで極…続きを読む - ★★★ Excellent!!!王道の恋愛小説。主役級はもちろんのこと、脇役たちも個性派ぞろい。
いろんな女性と男性が登場し、それぞれに惹かれ合ったり片思いを募らせたり、でも最後には結ばれるという、王道の恋愛小説なのですが、本作のきわめて特徴的なところは、時代が奈良時代であること! 奈良時代ですよ。なかなかそんな小説にはお目にかかれません。
現代と異なる社会的なしがらみや慣習はあれど、恋する若者たちがやきもきするのは今も昔もかわりません。
本作の主軸となるのは、東北地方で征夷軍の軍監を務める勇猛果敢な男、真比登(まひと)と、その地を治める豪族の娘、佐久良売(さくらめ)。真比登は子供時代にかかった病のために顔に醜い疱瘡(もがさ)持ち。家族愛に飢えた彼は自分の家族を作りたいという気持ちは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!強い女の芯のある優しさに惹かれます
奈良時代、それも東北地方を舞台にした作品というのは
ただでさえ資料が少なく書くのが難しいはずです
しかし優れた筆力で
読者にそういったことを感じさせぬまま
作品の世界へ没入させることに成功しています
この時点で正直、本作に★★★以外をつけることは
あり得ないと思っていました
本作は歴史ものとしても充分楽しめるのですが
ジャンルとしては、やはり恋愛小説!
女性が苦手で
お見合いに身代わりを立ててしまった真比登、
しかしその相手である佐久良売のことを
本当に好きになってしまう
この時点でもう一筋縄でいかない!
複雑な恋愛模様が描かれます
怖い女と思われていた佐久良売の本当の心、
真比…続きを読む - ★★★ Excellent!!!良き縁談が決まりそう?いいえ、縁談相手はとってもこわ〜い美女でした!
舞台は奈良時代。
蝦夷と戦い続ける軍監《ぐんげん》の真比登《まひと》が主人公です。
軍監とは、副将軍に次ぐ上の地位であり部隊の指揮官。
真比登は畏敬を込めて建怒朱雀《たけびすざく》と呼ばれるほど勇敢で、強い男です。
そんな真比登は御歳二十八歳なのですが、未婚であり女性経験も乏しいのは理由がありました。彼は過去の病が原因で疱瘡《もがさ》持ちなのです。
その真比登に是非ともと、良き縁談話が持ち上がったのですが、当の本人は断固拒否!彼は自分が疱瘡持ちだということをとても気にしています。
そして肝心の縁談相手もとびきりの美女!……なのですが、どうやら鬼より怖いと噂のようで……??
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!加須千花先生の作品にハズレ無し。あろう筈も無し。疑う余地も無し。以上。
あの、加須千花先生の作品ですよ?
何を躊躇う必要があるのです?
こんなものを読んでる暇があるなら、ほら、少し読んでみればいいじゃないですか!?
読めば解るし、読まないならこれを読んでも解らないでしょう。
だって、これはレビューであって、加須千花先生の作品じゃないんですから。
本物を以て本物を識るべし。
!
さあ、飛び込んでください。古代の風が貴方をうべなの世界へと誘ってくれるでしょう。
何故、うべなの世界と呼ばれるのか。
それは、貴方がこの作品を読了する頃、私が貴方に尋ねます。
「どうだった?面白かったでしょう?」
そうするとどうでしょう。あなたはきっと
「うべな、う…続きを読む - ★★★ Excellent!!!回を重ねる毎に魅力増す、唯一無二のヒロイン
奈良時代の多くの物語を描かれ続けている作者様。どの物語もそれぞれに素晴らしく、心打つものばかりです。
本作もそれに違わず、何人ものレビュアー様がその魅力を紹介されています。
正直、もう私が改めてオススメしなくても良いのかも…と思いましたが、私は別の部分を推したい!!
第一章である“真比登の章”は、コンプレックス持ちの真比登と、過去の出来事から男と恋愛を遠ざけてきた佐久良売のラブストーリー。
大筋は王道展開でありながら、笑いも涙も切なさもあり、読み応え十分。
しかし、しかーし!
私は第二章に当たる“古志加の章”を推したいのです!
なぜなら、真比登の章で見事ヒロインの魅力を披露した佐久良売…続きを読む