強い女の芯のある優しさに惹かれます
- ★★★ Excellent!!!
奈良時代、それも東北地方を舞台にした作品というのは
ただでさえ資料が少なく書くのが難しいはずです
しかし優れた筆力で
読者にそういったことを感じさせぬまま
作品の世界へ没入させることに成功しています
この時点で正直、本作に★★★以外をつけることは
あり得ないと思っていました
本作は歴史ものとしても充分楽しめるのですが
ジャンルとしては、やはり恋愛小説!
女性が苦手で
お見合いに身代わりを立ててしまった真比登、
しかしその相手である佐久良売のことを
本当に好きになってしまう
この時点でもう一筋縄でいかない!
複雑な恋愛模様が描かれます
怖い女と思われていた佐久良売の本当の心、
真比登の心の傷、周囲の人たちの優しさなど
細やかに描写されていき、
回を追うごとに面白くなっていきます
どのキャラクタも本当に魅力的で、
恋愛ものが好きな人はもちろん、歴史物が好きな人をも
唸らせる作品です