どうか君が、私を忘れてくれますように。

 主人公の男子高校生は、ある日の駅で、自殺しようとしていた美少女を助ける。彼女は、クラゲになりたいという一風変わった願望の持ち主だった。しかし、主人公を通して少女は二人のかけがいのない友人を得る。そして、やがて彼女には主人公に対する淡い恋心が芽生える。彼女は、好きな人を作るつもりはなかったのに、主人公に恋をしたのだ。
 四人は高齢女性の犬に縁あって、女性の家に入り浸っていた。しかし彼女と話した女性は、主人公にその犬を譲りたいと言い残して、亡くなってしまう。それは彼女がひた隠しにしてきた現実離れした能力と関係があった。
 そして、彼女は突如失踪した。日付を間違えた手紙を残して。彼女を探す主人公たちは、時折送られてくる詩的なメッセージから彼女の行先を探す。
 そんな主人公たちを待ち受けていたのは——。

 クラゲはほとんどが水分で出来ているため、死ぬと消えてしまうという。そんなクラゲに憧れた彼女の決断と、想いに、切なさが込み上げてくる一作です。

 是非、御一読下さい。

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