JKが放った一筋の弾丸と、「杯」という謎。

 主人公の女子高校生は、獰猛な緑に浸食され、荒廃した世界で敏腕スナイパーとして活躍していた。銃を構え、標的を撃つ。しかし、主人公の仲間が突如何者かに襲撃を受ける。そしてそれをきっかけに、主人公も標的にされ、万事休すの事態に。
 しかし、主人公は生きていた。獰猛な緑など見当たらない砂漠の地で、相変わらず敏腕スナイパーとして。主人公は代償として、その土地の人々の言葉が分かる機能と、銃を出し入れできる機能を手にしていた。
 そこは「猫」を崇拝する人々が暮らす世界。主人公は猫耳の獣人たちを助けたことから一緒に行動を共にすることに。しかも加勢してくれたオジサンこと、かつて魔王を倒した英雄の仲間だった「オジ」も一緒だった。このオジとの出会いが、主人公の運命を変える。
 女子高生スナイパーは「魔法使い」として、オジと共に戦禍に巻き込まれていく。JKという言葉も、セーラー服もない世界の戦争は、魔王亡き後の人間同士の諍いだった。この戦に終止符を打つために、騎士系オジサンとスナイパーJKが共に戦場を駆ける。

 散りばめられたいくつもの謎と伏線の数々に、今までにない異世界転生ものだと思いました。
 さばさばとした今どきな感覚のJKと、40歳超えの紳士的なオジさんの組み合わせが絶妙で、二人の掛け合いが面白かったです。
 世界観としてのスケールは大きく、しかしストリーは良くまとまっていて、これからの展開が楽しみです。

 是非、御一読下さい。

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