概要
<金曜日の魔女>
三十五年前に行われた(かもしれない)完璧な未来予知の話
<心理テスト>
ラブコメ風味のライトな暗号もの
<ルート9>
過去に書いた小説に紛れ込んでいたとある事件の真相
<小林少年の活動報告>
北山小学校少年少女探偵団が「三本桜 謎の名札事件」に挑む
<私のシロちゃん>
じわりと怖い話
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!拝啓、F先生。謎はもう解けましたでしょうか?
F先生は幅広い層に読者を持つ現代ミステリー作家だ。そんなF先生のもとには、いつもちょっと変わったファンレターが届く。ファンレターには、謎が秘められてていたのだ。そしてF先生は、手紙の送り主と文通することで、安楽椅子探偵のように謎を解きほぐしていく。
各章ごとに、往復書簡の相手も謎内容も異なるが、ここでは第一章から紹介したい。この章の往復書簡の相手は、男子大学生だ。大学生はサークルの先輩などから、その大学に現れた占い師について聞かされる。なんでもその占い師は、百発百中で相手のことを見抜くらしい。F先生は悪質な宗教勧誘かもしれないからと忠告しながらも、大学生からの報告を待っていた。いよいよ大…続きを読む - ★★★ Excellent!!!F先生は今日も読者にお手紙を書く。
筆まめなミステリー作家のF先生。どれくらい筆まめかというと、読者からの感想のお手紙にも丁寧に返事を出すぐらいだ。ミステリー作家ということもあって、小説の感想だけではなく身の回りで起きた奇妙な事件の相談が送られることもある。
本作はそんなF先生の読者との手紙のやりとりがそのまま小説になっている。
完璧な未来予知を行ういかにも怪しげな占い師から、少年探偵団に憧れる小学生のほのぼのとした活動報告、F先生が昔書いた小説に関する質問など、その内容は実にバラバラ。
そのいずれの内容に関してもF先生はこまめに返信をする。読者の疑問には丁寧に答え、時に失礼なことを書かれてもやんわりと受け止め、文面だけで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!手紙が運ぶ5つのミステリー!
へっぽこ探偵藤松君シリーズで、(たぶん本人が思っている以上に)ファンに愛されているミステリー作家のF先生。彼の手元にファンレターに乗せ、読者から届けられる謎を、手紙のやりとりだけで解決していく楽しい短編集です。
書簡体の面白さはもちろんのこと、大学のミス研の部員から少年少女探偵団を結成した小学生、三十年以上、とある疑問を胸に秘めてきた専業主婦などなど。様々な顔を持つ相談者から寄せられる謎にはひとつとして同じ類のものがなく、最後までとても面白く読めました。
私はがっつりトリックに焦点を当てた物語(ミステリー)が好きです。でも、この作品のように謎解きと人間ドラマがひとつに溶け合い、読者の…続きを読む