1話目から壮大な喪失と郷愁が描かれ、2話目には一番身近な友人との思い出が。
そしてそれらを包み込み、見守るような宇宙の存在。
3話目には人間と人工知能の関係性が書かれていますが、人間というものは”人間でないものに人間らしさを見出してしまう”不思議な感性があるのですよね。
人工知能の返答は学校の道徳の授業にも入ってきていて、言いづらい、教えづらいことを上手く的確に話してくれます。
人間独特のしがらみがないから、当たり前のことを当たり前に言える。
若い世代は身近な大人よりも、人工知能に頼って生きていくのかもしれません。
宇宙を感じた時の安心感やらわくわく感やら、そして失われたことに対する想いとか絆とか、そういう人間の本質までうまく書かれていますので、SF体験が底辺の私でも楽しめました。
SFお好きな方ならより深く感じ入れる密度のお話なのではないでしょうか。
とてもとても素敵なSF短編作品でした。PVや★の数などを見ますとおそらく埋もれている良作だと思うので、このレビューがどなたかの目にとまればうれしいです。
自分の言語化能力では上手く伝えられないので(どうやったら伝えられるのか一生懸命考えましたが限界でございました)、この作品の良さはぜひ実際に読んでみて感じて頂きたいのですが、とある「夢を見るAI」を軸にしたお話です。時代の違う3話に分け、この順番に並べた構成はすばらしく、1万字弱の文量ですが背中がゾクッとする瞬間もあると思います(怖いという意味ではないです!)。そして読み終えた後は、すぐもう一度読みたくなると思います。
文章もセリフ中心の対話型になっていて読みやすいですし、専門用語だらけということもありませんので、SFジャンルが苦手なかたでも大丈夫なはずです。ぜひ読んでみてください……
というよりも、他のかたはこの作品から何を感じ取るのだろう? というのが気になる作品でしたので、どなたか読んで感想をレビュー(コメ欄は閉じてらっしゃるようなので)かXあたりで書いてくださるとありがたいなと。よろしくお願いします。