真白透夜@山羊座文学

最上くんの年齢相応の関心と優しさが効いた物語だと思いました。 山田さんも自分のことを簡単に語らないところがリアル。 山田さんの家庭事情に踏み込まず、日常が続いていく感じも良かったで…続きを読む

理想の家族なんて追わなくていいし、親子それぞれがそれぞれにちゃんと生きているだけで偉い話です。 介護をお願いできて、皆で見送れた。 それで充分だと思います。 ですが、主人公はさらに…続きを読む

作者の意図したものとは違うかもしれませんが、地獄にいながらもまだ彼らには希望があるのではないかと思ってしまいました。

起承転結や登場人物で「主張」する作品は疲れます。 小説とは何ですか？ そう考えていたときに出会ったのがこの作品です。 作品そのものが人間が生きるということが何か、人間関係とは何か…続きを読む

アイリスーーー！！！と叫んでしまうくらい面白かったです。 ジャンルがファンタジー、WEB小説と軽く見るなかれ。 たった約2000字で、キャラは立ってる、状況説明が上手い、設定がしっ…続きを読む

最初から最後まで、不思議な空気に満たされた世界が描かれています。 そこで「本当のわたしって何？」と哲学して、ネットの速さで仮面が飛び交うというある意味真実が見えてしまう。 でも、そ…続きを読む

賞など不要の作品ですが、小説とは何かと考えている方には読んでいただきたいと思ってしまいます。 こうは書けない。そもそも何を書いているかわからない。でも、やっぱり何かが良い。と、いう…続きを読む

山羊座賞には闇の選考委員会がある。 主催山羊「山羊作品を増やして、平地人を戦慄せしめぇよ」 副山羊「そのためには、餌を撒くめぇ」 会計山羊「副賞なんて用意する余裕は無いめぇ」 書記…続きを読む

仮面の下を覗きたい人たち……。 そこに焦点を当てた時点で、作者の洞察の深さを感じました。 取り上げるエピソードも印象的で、私たちのすぐ横で本当にそんな話をしているかのよう。 紺野と…続きを読む

思春期の子どもたちの様子、心が非常にリアルに書かれています。 コロコロ変わる気持ち、人間関係、そんな一言では言えない難しいところを書ける力が素晴らしかったです。 第二回山羊座賞受…続きを読む

私はカクヨムで秋犬さんと仲良くさせていただいておりました。 ある日、秋犬さんは魚に関するホラーを書き始めたので、私も読んでみることにしました。 読み進めていくと、さすが秋犬さんの作…続きを読む

自主企画、第1回山羊座賞を受賞していただきました。 一読目で、高い筆力が生み出す世界観が良かったと思いました。松岡の運命の不気味さがリアルです。 二読目で、謎をどう捉えるかが問題…続きを読む

短い小説であっという間に終わってしまうのに、世界の空気感や過去と現在の広がりを充分に感じられました。 読み終わってから忘れられない物語だったと改めて思って、レビューを書きました。 …続きを読む

本作は少年の犯罪行為の背景を描いたものです。 この短い物語の中に、たくさんの社会問題が組み込まれているため、読む人がどこに着目するかによって作品のテイストが変わる可能性を示唆してい…続きを読む

暴力的な問題児マコトとタケシの交流。 タケシが無邪気な分、マコトの異質な日常が鮮明な対比になります。マコトの事情を知り、タケシは胸を痛めます。 そんなせっかくの交流と思い出でした…続きを読む

優秀なカウンセラーでありながら、元カレの浩一とズルズルな関係をもつ愛理。 自問自答、チラシを取る習慣、たばこを分け合う二人、10時間の睡眠と頭痛薬……彼を求める理由を半ばでっちあげ…続きを読む

前回の変態教師の詩とも共通するのは、この変態行為のために「長年」我慢して教師、警察官になったことです。 つまり魔がさしたのではない。目指していた、狙っていたということ。 同情の余…続きを読む

冒頭から自分の思春期を思い出し、読みながら自分をなぞりました。 本作は主人公と世界の関わり合い方、揺れる自分というものを丁寧に書いています。 それでいて、単純な回答にはきっぱりと…続きを読む

創作は楽しかったから始めたはずなのに、いつの間にか死の山に登っていた。 登らなくてもいい、いつやめてもいい。 条件はゆるいはずなのに、一体なぜ登り続けるのか。 喜びも達成感も一瞬で…続きを読む

ショートムービーのような、テーマ、舞台、脚本が一つとなった、完成度の高い作品だと思います。 今回、より際立ったのは背景描写と心情描写の吟味。 いつもの密度が高い作風も良いですが、…続きを読む

主人公の涼夏は冷蔵庫になりかけています。 そこに涼夏が恋をしている幸也がやってきます。 幸也は告白しようとします。 涼夏は一旦、幸也を家に帰そうとします。 この辺りの10代のあれ…続きを読む

叶わぬ恋からの凶行。 彼女への気持ちが募り、散り、集結して、沈殿して、そして咲きました。 幻想的な中にも死のリアルさがあり、行き来する中で迎えるラストシーンは映画のようです。 貫か…続きを読む

生きていることを感じる一番の近道は歩くこと。丁寧な描写から、主人公の自分探しの真剣さや徒労感が感じられます。 「自分との戦い」は言葉にすれば目新しいものではありませんが、日常の単発…続きを読む

試されます。 あり得ない話として読んでも可。 わかってしまっても可。 どうしてこんなに狂っているか、実は何も明らかにはなりませんが(書いてあってもそれすら本当かどうか)、なぜかわか…続きを読む

事故に遭った主人公は、悪魔から契約を持ち込まれます。愛する妻の元へ帰りたい主人公は……！
急な事故、トラブルを装ってのいい話には注意です！

冒頭から地縛霊と自然に会話しているという大胆な世界観からスタート。あらすじに目を通してからの方が読みやすいかもしれません。 幻想的な港の様子。訳ありな二人。 静かで確かな筆致が雨…続きを読む

これはファンタジーじゃなくて、現代ドラマです。純文学です。 全員がちゃんと人間です。洗練されたせいで逆に典型に見えるかもしれませんが、彼らが「醸し出すもの」がレミリアにどのような影…続きを読む

感染症が蔓延した世界の新しい出会いの形。 徹底的に管理された部屋で出会った二人。 二人は今後について話し合いを始めるが…… 非常に洗練された描写に読み応えがあります。 急転直下の…続きを読む

物語と割り切って主人公の受難として読むのもありですが、私はこれが人間の生きる意味への問いかけの姿と読んでもいいと思いました。 途方もない世界にただ一人。 生きるために食らってきた…続きを読む

素晴らしかったです。 永遠の地獄からの解放を望んだ友人。 後追いを考えた主人公だったが、そこに友人からのメッセージが……。 胸が痛むような内容ですが、それ以上に強い愛と美が貫かれて…続きを読む

死は恐ろしくて悲しいですか？ いえ、死こそ平等な救いです。 霊感がある人からばたばたと死んでいく様はむしろ清々しい。 その規模災害級。 後半、死者との交流がありますが、死者は生…続きを読む

主人公とその友人は、巷で噂の狂気猫を見にいきます。 狂気猫は噂通り激しく狂ったように動き回っています。 その理由とは…… 私たちは主人公と共に面白半分で見に行くわけですが、そこで…続きを読む

幼い頃の性的な記憶により、男と体を重ねることで自分を保つようになっていた主人公。 ある時、可愛らしい猫と出会い、その猫は主人公が男といるときに現れるようになりました。 その都度、そ…続きを読む

精神科に訪れる、ちょっと変な症状を訴えるちょっと変な人たち。 あらあら猫がそんなに好きなのね、と読んでいられるのも今のうち。 私たちがよく見る日常の光景がどんどん変わってきて……。…続きを読む

第二次世界大戦末期の広島市。 読者にとって、何が起こるかは明白です。 この物語に書かれているのは、悲しみでしょうか？それとも嘆きでしょうか？ 残酷な現実に直面した一人の少年の話。…続きを読む

彼女の一生を見ていく物語です。 美しく温かい部屋から転々とし、最後には過酷な環境での生活となります。 猫の目、猫の耳で語られる世界は、儚く汚い。 可哀想と読むか、だからこそ美しいと…続きを読む

ミミズの文字が平気な方はぜひ。 人間はどうしてヒトであることを忘れてしまうのか。当たり前の循環についてすら覚束なくなる。 ただ、これらのことも知識だけあればいいというものではない…続きを読む

職業柄、1000組以上の家族を見てきた私が断言しよう。家族にこんな見捨てられ方をした母親はヤバい。 夫婦というのは、聖人君子でなければなれないわけじゃない。子どもというのは、どん…続きを読む

海来作品は、普段、学生同士の青春物語を読ませていただくことが多かったのですが、今回の作品は、父親と家族を通して描かれています。 姉の二十年間と、父親としての二十年間、新しい家族と…続きを読む

感性を仕事にしたときのつまずき。 間違ったことをしてるわけではない。 悪いことをしているわけではない。 何も問題はないのだけれど……。 そこで立ち止まってみた、主人公の話。 特徴…続きを読む

思春期男子の本能的日常の小説かと思いきや、最後は……！
小説ならではの面白さです。

一つ一つの描写が細かく、かつ情報量が多いです。
たとえるなら、花園。
それぞれの言葉が咲き乱れ、不思議な世界を描き出しています。

ハードボイルドな探偵物語。 サイコメトリーにより謎は解明されていく。 光太郎が行き着いた答えとは……。 謎を追うのが面白いだけでなく、書き込みによって立ち上がった世界を、主人公光…続きを読む

勉強にもなるし、ちょっとしたリアルなエピソードに人情を感じるバランスのよい作品。
雑誌の連載のような満足感があります。
続きを読みたいくらいです✨

現代ドラマだけどホラーテイスト。
間違いない筆力にこの構成力。
ちゃんと書いているのに、書いていないことに旨みがある。
素晴らしい余韻でした。

主人公の内面、彼の内面、二人の関係。 そもそも捉え難い感情と関係を、鮮明に観察できる作者の眼に驚きました。 影響による変化、文学と世界の均衡について。 この辺りも繊細ですが、そこも…続きを読む

ちょっとした語りかけですよ。 最近よくある系の。 自分を大事にしろ、と。 語り口がやわらかいから、読んで心地はいいんですけどね。 カクヨム勢には物足りないかな？ でもね、☆3ついち…続きを読む

好きな人の幸せを願う気持ちは憎しみを孕み、その執着が美しさを映し出して、裏道を選ばせる……。 複雑な心境、複雑な関係の難しいところを巧みな表現で描いています。 短いお話ですが、小さ…続きを読む

ミュージシャンの南嵜が土建屋の桜井社長に会いにいきます。
その目的とは……？
不思議な運命の解釈が見どころだと思いました。

前半、童話的ですが、後半の反転が素晴らしかったです。
ぜひご一読ください！