概要
さようなら、渋沢栄一。お正月、叔父たちの財布は焦土と化した。
「いいかケンジ。これは『お年玉』ではない。我々の生活費を懸けた防衛戦争だ」
1月1日、午前10時。
実家のコタツに集まったのは、昨年末の競馬で散り、財布の中身が壊滅した二人の男。
30代独身の「私」と、従兄弟の「ケンジ」だ。
彼らに残された兵力はわずか。
しかし、間もなく玄関からは「甥・姪」という名の無邪気な略奪者たちが押し寄せる。
この窮地を生き残るため、二人はある軍事同盟を結んだ。
名付けて、『鉄の三千円協定』。
「決して見栄を張って一万円(渋沢栄一)を出してはならない。三千円(北里柴三郎)で耐え忍ぶのだ」
完璧な作戦のはずだった。
最強の破壊兵器である「姪っ子(5歳)」が、ケンジの膝に乗るまでは――。
裏切り。見栄。そして、財政破綻。
初春に繰り広げられる、大人たちの誇り高き敗走の記
1月1日、午前10時。
実家のコタツに集まったのは、昨年末の競馬で散り、財布の中身が壊滅した二人の男。
30代独身の「私」と、従兄弟の「ケンジ」だ。
彼らに残された兵力はわずか。
しかし、間もなく玄関からは「甥・姪」という名の無邪気な略奪者たちが押し寄せる。
この窮地を生き残るため、二人はある軍事同盟を結んだ。
名付けて、『鉄の三千円協定』。
「決して見栄を張って一万円(渋沢栄一)を出してはならない。三千円(北里柴三郎)で耐え忍ぶのだ」
完璧な作戦のはずだった。
最強の破壊兵器である「姪っ子(5歳)」が、ケンジの膝に乗るまでは――。
裏切り。見栄。そして、財政破綻。
初春に繰り広げられる、大人たちの誇り高き敗走の記
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!子供たちは合法的に、残酷に、抜け目なく奪ってゆく
お年玉、それは子供の頃には胸躍り、大人になると胃が痛む、なんとも難儀な風習です。
自分が子供の頃はそうでもなかったのですが、今の子供たちというのはなかなかに残酷なもので、少ない金額だと露骨に不機嫌になったり、見下してきたりするようで。
文句があるなら返してもらってもいいんですけど?
しかし、いい大人がケチ臭いことをしてしまうと、威厳が保てません。
虚勢であっても見栄を張らねばならないのがお辛いところ。
とはいえ、財布に猶予はなく……。
いや、あったはずなのに愚かなことをしでかして……。
なんともまぁ、大人たちの駄目さ具合が哀愁を誘います。
そこに、令和キッズたちの容赦のないお金せびり攻撃で…続きを読む