第2話 奇妙な令嬢
紫波雪風。
SIWAインダストリアルという日本有数の大企業の創業者一族の1人。
性格は高飛車で激情家、プライドが高く自己中心。
自分以外の他人なんか石ころ程度の価値しか無いと思っているタイプ。
捨てる程に有り余る財力を持ち、学校の送り迎えはリムジンだし、学院に多額の出資をしているらしく教職員も彼女に逆らえない。
男女問わず取り巻きも多く、学院の一大派閥を築いている。
まさしく"学院の女王"だ。
ーーその筈、なんだけど。
▽▲▽
「失礼いたしますわ!」
そう言いながらズカズカと教室に入ってくる紫波さん。
彼女はそのまま真っ直ぐにボク達二人の元へやって来た。
「あら!こんな所で会うなんて奇遇ですわね滝沢月乃!」
「奇遇も何も会いに来てるじゃん、ボクらの教室なんだからココ」
「あ、貴女には関係ありませんことよモブA」
「誰がモブだ!」
そんな言い争いを始めたボク達を見て、キノはクスりと笑う。
「二人とも仲良しだね」
「「どこが!?」」
奇しくも紫波さんと声を重ねて反論してしまった。
なんと言うか、紫波さんは悪役でボク達が平和な未来へ向かう為の障害の筈なのだけれど、何故か変に馬が合うというか。
意外と嫌いになれない自分がいる。
本来いる筈の取り巻きも見たことないし、他クラスなのにちょくちょくボク達のクラスに遊びに来るし。
何なのだろうか、この悪役令嬢は。
「いつも思うんだけどさ、紫波さんはボクに対する当たりがキツ過ぎない?」
「ーー当然ですわ」
「え、何で?」
「それは、自分の胸に手を当てて考えるのが宜しいかと」
彼女のその言葉に、特に心当たりがなくて特大の疑問符を浮かべるしかなかった。
▽▲▽
△
それを見て、私は「やはり」と確信を強める。
この世界には秘密があります。
それは、ここが『クワトロ・まりあーじゅ!』という乙女ゲームの世界であるということ。
そしてそのことを、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます