第4話 悪役令嬢作戦会議(Ⅰ)
△▼△
「罠を打ち破るのよー、と言いましても実際何ヶ月か過ごしてみてどうでしたか?」
「どうって?」
「何か罠ありました?」
フブキはそう言うが、遠野花鈴の罠はーー多分無かった?
もう入学して2ヶ月くらい経つのに。
ーーあれ?
「い、いや! 私がそれに気がついてないだけかも知れないし! 私おっちょこちょいだから!!」
「お嬢様がポンコツなのは否定しませんが」
「いやフォロー」
「お嬢様と私の間に、変な気遣いとか不用でしょう」
「ワタクシ主人、貴女使用人、アンダスタン?」
ナツキは何故か深いため息をつく。
諦めと呆れが入り混じった表情で、彼女は「お嬢様の言葉を
「もしかしたら、お嬢様は現状眼中に無い可能性がありますね」
「な、なにをー!?」
勢いよく立ち上がーーろうとして、マグカップの中身を溢しそうになり、慌ててまた座り直す。
「私これでも悪役よ! ライバルよ!!」
むんっ!と胸を張って憤慨したよって態度を表して、フブキに抗議してみる。
それに対して、フブキは至極真面目な表情をしながら話を続ける。
「お嬢様が舐められている可能性も無くもないのですが、一番可能性があるのが例の彼女--遠野花鈴は友人キャラなんですよね?」
「まぁ、友人兼裏ボスだけど」
「その彼女って、最初っから何か暗躍していたんですか?」
フブキに言われて、ふと考えてみる。
いや、この場合は思い出してみるかな。
原作における遠野花鈴の行動を。
「うーん、よくわかんない。原作は
「つまり、実はまだ遠野花鈴がお嬢様に干渉する段階までシナリオが進んで無いという可能性はありませんか?」
「それは、あるかも」
盲点だった!
まだシナリオが進んでいないのか。
--というか。
「そもそも私がまだあんまり原作介入出来ていないから、変に予想外の事態になることってないのかも」
この世界でこの秘密を知ってるのは私
「じゃあ私は今何すればいいの?」
「物語が進むまで待機、もしくはーー」
そう言って語ってくれたフブキのあるアイディアに私は大きく「なるほどー!」と声を出した。
こうして明日以降の行動方針が固まった頃には、手元のホットミルクはすっかり冷めきってしまっていた。
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