第119話 ゴテゴテの後手……?
▽▲▽
「シナリオを修正する為に、俺は今日まで色々裏で手を回してきた」
四島ナントカはボクが聞いてもいないのに
これは、アレだ。
二時間ドラマとかで、勝手に犯人がべらべら犯行動機やら手口とかを喋りだすヤツ。
へー、アレってフィクション特有のお約束だと思ってたんだけど本当にやる
──などと半ば呆れながらその一人舞台を話半分に眺める。
手足が拘束されていて鼻をほじって見られないのが残念極まりない。
「あ、いや、曲がりなりにも美少女が鼻をほじったらダメだよな反省反省」
「お前何言ってるの?」
「気にしないで、続けて続けて」
しれっと話を促すと、四島ナントカは怪訝な表情をつくる。
なんでこの状況でなんでもなさそうにしてんだコイツ、みたいな。
こほんと咳払いして場をリセットしたナントカは、また語り始めた。
「まず規定路線に戻す為に必要な事は何点かあるが、大事なのは
「──ほう?」
一気に興味深い話になってきたな。
「つまり、主人公から見て辻褄があっていれば良い。事件の犯人が実際はアンタでも、キノにボクだと思い込ませられればボクの犯行って程でルートが進むみたいな?」
「まさしく!」
レスポンスが気に入ったらしく、わかりやすくテンションあげて頷くナントカ。
「ここから俺が作ったルートに入らせる為の第一の条件を揃える為に必要なのは二点。一つ目が、
ボクの前に寄って、丁寧に指を折りながら説明してくれるナントカ。
彼曰く、一つ目の条件はボクがこうなった段階でクリアされてるっぽい。
そして次にニ本目の指を立てながら彼は続きを宣う。
「二つ目は、紫波雪風の孤立。アイツが孤立することで
彼はそう言ってニヤリと嫌らしく笑う。
「その為に、紫波雪風の良くない噂は少しずつ時間をかけて学園中に流しておいた。ここでお前が誘拐されたことで、おそらく一気に火がつくぜ」
ゲラゲラと邪悪に、不快に嘲笑う四島。
ボクはその四島と共に──。
「あっはっはっは!」
──ケラケラと笑った。
ボクのリアクションを不審に思った四島が笑い声を落として眉間に皺を寄せる。
そんな
「そんな簡単に事が運ぶんなら、ボクはこんなに苦労してないよ──紫波雪風を舐めるな」
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二次選考、落選しましたー。
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