第19話
テツさんのところに泊めてもらった翌日。
朝早くにキャンプ地を出発して、ダンジョンから出るとすぐに換金してもらい、更衣室でシャワーを浴びてから買い出しに向かった。
この時に換金額は税抜きで1700円だった。
内訳はレッサーブラッドバットの魔石が1個75円で26個。皮膜も5枚ドロップしたがレッサーブラッドバットの皮膜は小さく、特殊効果も無いので使い道が無いということで一応買い取ってもらえたが1枚10円だった。
そこから税が引かれる。正直懐事情はかなり厳しいが今回は移動と説明を受ける時間が必要で5時間くらいしかなかったからしょうがない。
逆に5時間の探索でこれだったが今後は泊まりで朝から晩まで狩って回れるし、これからの時期の暑さ対策も不要になった。キャンプ地で自分の環境を整えるのにお金が必要だがそれもひとまず2日狩りをして1日買い出しくらいペースで少しずつ整えていこう。
そんな風にこれからのことを考えながらテツさんに連れられてディスカウントストアにやってきた。
「こいつ置いてくるから入り口で待ってろ」
今回テツさんはキャンプ地から折り畳み式リアカーを引いてきていた。
よくそんなものまで持ち込んだなと驚いたが。水や食料、ゴミ袋とかの生活用品、それらを5人分買って1人で持ち帰るには必需品だという。
当然普通のダンジョンにこんなモノを持ち込む余裕なんてあるはずもなく、トラップも奇襲もなく、基本的に死ぬことがないHランクだからだ。
駐輪場にリヤカーを置き、ダイヤル式のケーブルロックで固定するとテツさんが戻ってきた。
「それじゃあ行くか」
「はい」
テツさんの後について店に入る。
最初に向かったのは水のコーナーだ。
「まず、必要なのは水。目安は1人一日2.5Lだ。自分が何日置きに買い出しに来るのか考えて買えよ。俺の場合は買い出しが週1だから7日分で17.5L。まぁ切りよく18Lだな。それを5人分だから90L。2Lのペットボトルで45本。6本入りだから7箱と3本だ」
そう言われて自分の分を自分のカートに乗せるとテツさんの分をカートに乗せるのを手伝う。
「カートに詰んだらサービスカウンターで預かってもらって次はレトルト食品だ」
そう言ってカートをサービスカウンターに持っていくと次のカートを手に取って食品コーナーへ向かった
そうしてカートがいっぱいになるとカウンターに預けるを繰り返してながらテツさんの助言を聞いて色々買って回った。テツさんはダンジョンに残った人から買ってきてほしい物を聞き取っておいたのか時折メモを見ながら買い足していた。
買った物をテツさんの台車に積み込む。ついでに俺の分も台車に載せさせてもらった。
「ちょっと荷物見ててくれ」
「わかりました」
テツさんが店に戻り、すぐに出てきたと思ったら店の裏の方に向かって行った。
しばらくしてテツさんが戻ってくると段ボールをいくつも持っていた。
「待たせたな」
「いえ、大丈夫です。その段ボールはどうするんですか?」
「これはお前の段ボールハウス用だ」
そう言って段ボールと台車と荷物の間に立てて載せた。
「こういう所だとデカい段ボールが結構あるからな。サービスカウンターで話つけて裏からもらってきた」
「すいません。ありがとうございます」
「別にこのくらい気にすんな。とりあえず飯と水は買ったな?予算はあとどのくらい残ってる?」
「あと400円位です」
「じゃあ100均行って便所用のゴミ袋とトイレットペーパーと段ボールを固定するガムテープだな」
そういってリヤカーを曳くテツさんと100均に行くとテツさんは荷物を見てるというのでひとりで必要なものを買ってくることになった。
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