第4話
橋の下で睡眠を取り、日の出と共に起きて行動を開始する。
公園の水道で喉の渇きを癒し、川沿いの道に出た。漢字は違うが名称からしてここのはずだ。
目的の場所に目を向けると菖蒲がきれいに咲く小岩、いや虎岩菖蒲園のすぐ隣。グラウンドがあったはずの場所に2階建ての建物が建っていた。
建物には『虎岩Hランクダンジョン管理センター』と看板が掛けられている。雑誌で確認した『誰でも入れる超低ランクダンジョン』だ。
「ほとんど危険はないらしいけど防具がないのは不安だな」
本で確認した情報からするとHランクダンジョンは基本的に人が死ぬような攻撃をしてくるモンスターはいないらしい。そのため路上生活者や仕事のない生活困窮者の収入の支援として誰でも入れるようにしているのだとか。
防具の心配だけしているが武器についてはとりあえず心配していない。Hランクダンジョンでは支援の一環として武器のレンタルもやっている。このレンタル武器は寄付された物でダンジョンによって在庫に差があるうえ錆や歪み等があるが経費削減の観点から特に整備などもしていない。そのため使用は自己責任だ。
「でもどうにか今晩、できれば明日までの飯代くらい稼がないと。」
今回の目的はステータスの取得と飯代の確保だ。
生活困窮者の支援とはいえ誰でも入れるダンジョンのドロップ品の買取額はたかが知れてる。それでも俺はダンジョンに掛けるしかない。バイトを探そうにも身分証も履歴書もないのに飛び込みで雇ってくれて、即日現金払いの日雇いバイトなんてあるわけがない。仮にあったとしても簡単には見つからないだろう。
レアアイテム以外ならダンジョンで入手した物はその場で買い取ってもらえるはずだ。
建物に入ると正面に受付のようなカウンターがあったのでひとまずそこで話を聞いてみる。
「すいません。ダンジョンに入りたいんですけど」
「あぁ?」
カウンターにはやる気なさげな中年の男性一人だけだったので声をかける。
「はぁ~、この同意書に名前書いて。」
差し出された同意書の内容を要約すると4点だけだった。
・ダンジョン内で起きたことはすべて自己責任である
・ダンジョン内で入手し、持ち出した物はすべて一度提出して鑑定を受けること
・入手した物の買取、持ち帰りは自由だが鑑定の結果危険物と判断されたものは管理センターで強制買取となる
・買取の際にはダンジョン税(15%)が引かれる。
内容はひとまず問題なさそうなのでサインをして男性に返す
「ダンジョンの入り口はそこの通路の先。ダンジョンの手前に更衣室があるから着替えるならそこで。武器のレンタルとドロップアイテムの買取はダンジョンの手前にあるカウンターで説明受けて」
「わかりました。ありがとうございます」
ダンジョンの入り口に向かって進む通路の途中に更衣室の入り口があったが着替えはないのでそれを通り過ぎ、その先にあるダンジョン入り口と書かれた扉を抜けるとパイプ椅子が並べられたロビーがあった。
ロビーの向こうには遊園地なんかの入り口にあるバーを回転させて入るタイプのゲート。ゲートの向こうは下り階段になっているようだ。ロビーの左右には買取カウンターとレンタルカウンターがある。
レンタルカウンターの人に武器の在庫確認するとコンバットナイフとでもいうのか刃渡り20㎝くらいのナイフが出てきた。持ち手は布が巻かれていて持っても大丈夫そうだが刃は全体的に錆だらけでボロボロだ。
「全くなにもないよりかはマシか」
手続きをしてそのコンバットナイフをレンタルした。
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