第11話

ダンジョンに潜って6時間。順調に1階層を半分ほど回り12時なったので昼の休憩をとる。


「やっぱり時間がはっきりとわかると回りやすいな。休憩をとるタイミングも計りやすいし、MPの回復速度もちゃんと把握できたしな」


今日もダンジョンを回りながらドロップ品には必ず鑑定を使い、継承で魔石に水属性(微弱)を集めている。その最中に時計を使ってMPの回復速度もしっかり図っておいた。


パンを頬張り、モソモソと口を動かしながらステータスを眺める。


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 名前:指宿いぶすきつかさ

 職業:変幻自在のクラフター

  L v :2

 M P:3/20

 STR:10

 VIT:10

 INT:15

 MND:13

 AGI:8

 DEX:20


 スキル

 ・素材鑑定 Lv1

 ・継承 Lv1

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2日と半日しかダンジョンに潜っていないが1階層とは独占して狩り尽くしたおかげかレベルが2に上がりステータスが増加している。ただ元が低い項目が上がりにくく、高い項目は上がり易いのかDEXは20にもなったのにSTRとVITは半分の10しかない。AGIに至ってはいまだ一桁だ。


おまけにスキルレベルは全く上昇していない。


「ステータスの上昇値はレベル1の時の数値に依存するのか、それともレベルアップまでの行動で変わるのか?この上がり具合からするとなさそうだけど完全ランダムのパターンもあるか?スキルレベルが上がらない理由で考えられるのは単に回数が足りないか、あとは同じ内容の物にしか使ってないからか。熟練度的なものが見れたらよかったんだけどな」


継承は水属性(微弱)を20回に満たない位しか発動していないが、鑑定は1階層のドロップ品2種のみとはいえ100回は確実に超えている。


「まだレベル1だし回数も種類も少ない継承はともかく鑑定は上がってもよさそうなんだけどな」


最後の一口を水で流し込むと予定を考え直して2階層へ降りることも考えながら探索を再開した。





「また出たんですか?」


代り映えのない1階層の探索を終え、水属性(弱)の魔石を作ってからドロップ品をカウンターに提出する。


「一応確認ですが、この魔石はどこかから持ってきたものではなくこのダンジョンでドロップしたものなんですね?」

「え、えぇ、そうですが」


一応嘘は言っていないはずだ。手は加えたが魔石自体はここのドロップ品なわけだし。


「ですよね。このサイズはHランクダンジョンの魔物の魔石ですし。今回も1階層でドロップしたんですか?」

「そうです。1階層は人がいなくて独占して回れるのでそこしか回ってません」

「そうですか」

「えっと、買取はしてもらえますよね?」

「はい、問題ありません。持ち込まれたものはすべて買い取りでよろしいでしょうか?」

「はい、お願いします」

「少々お待ちください」


全て買取してもらった今回の収入は税引き後で2618円になった。だが水属性(弱)の魔石を買取に出し続けるのは不味そうだ。今後収入を増やすには2階層に降りるしかない。


2階層へ降りる覚悟を決めるとお金を受け取っておなじみのスーパーに向かった。

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