恋心廻るとき、強かに人魚は唄う。

遥か昔･･･　遥か遠く･･･　人魚と龍と人間が、互いに深く関わっていた頃のこと。
年頃を迎えた人魚の月李は、恋をしなければならなかった。人魚が恋をして、二つの鱗族の血脈を繋いでいる。天鱗宮の龍族。海鱗宮の人魚族。そして地上で暮らす人間。三つの種族の間で、秘かに起こる恋の秘儀。秘かに自分の守り龍である陽光に特別な想いを抱いている月李は、その禁断の秘儀に身を投じてしまうのか？　決して交わる事のない二つの鱗族。月李の恋は、何処へ行くのか？