1章 幕間
二人の関係
ある日の放課後だった。四人が部室に集まっていると「そういえば」と享がふいに話す。
「新藤さんと佐枝さんってどういう関係なんすか?」
「そりゃあ恋人「違う」
言い切る前に賢司が声を被せた。
「ええぇ?いいじゃないですかちょっとくらい」
「いいとはなんだ……ただの幼馴染だ」
「家も隣通しですし、まるでアニメみたい」
「わぉ、フラグめっちゃ立ってるっすよ??」
「ですよね!?なのに部長ったら気づいてくれなくて……しくしく」
わざとらしく泣いている嶺に声をかけるものはいなかった。当然怒る。
「ちょっと!天木君くらいは心配してもいいんじゃないですか!?」
「え、えぇ……僕ですか……」
「変なことに後輩を巻き込むな」
「じゃあもうちょっと部長が優しくなったらですね」
「はぁ……」
賢司が頭を抱えてため息をつく。毎日こんなのに付き合わされてると思うと少し同情してしまった。
「でも、ここまで息ぴったりなの羨ましいっすね」
「ああ、佐枝君は俺のことを一番わかってくれる良き理解者だと思っている」
「そ、それって……」
さっきまで調子に乗ってた嶺もしおらしくなり、どうやら赤面している。
「あ、いやっ、これは、ち、違う!!!」
賢司はいつものようなクールさを失い必死に弁明している。が、それは二人には届いていない。
「幼馴染持ちプラス無自覚属性、ムカつくっすね……」
「は、ははは……」
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