概要
異国情緒漂う国際港湾都市、横浜。主人公《 朝霧まりか 》は海事代理士として働くかたわら、海の怪異〈海異〉に関する相談にも乗っていた。
そんなある日、幼子の姿をした老獪な人魚《 カナ 》と出会い、紆余曲折を経て同居することになる。
まりかとカナ、ふたりの出会いがこの大海にもたらすものとは。
そして、朝霧まりかの友人である海上保安官《 菊池明 》と、式神の少女《 水晶 》もまた、運命の出会いを果たしたのだった……
【※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、事件とは一切関係ありません】
🌊第2部はこちら🌊
https://kakuyomu.jp/works/16818093084308792728
◇◆主要登場人物紹介◇◆
※第1章のネタバ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!みずみずしい筆致で繋がれる、現世と幽世の物語
一読してすぐに思ったのは、「清潔な」語り口だなということ。
登場人物たちがわちゃわちゃ楽しそうにしている時はもちろん、激しい戦いの場面などもありながら、それでもあくまで健康的で根幹がヒューマニスティック。
退廃的にならない、凛とした風情がいいなと思いました。実に「みずみずしい」。
そしてもう一つは「丁寧な取材」。本作中に多数散りばめられた海にまつわる様々な角度からの現実のうんちくが、ファンタジー物としての自由奔放な想像の妨げにならず、「錨」になっているというべきか……読者が作中で心遊ばせる足場になっていてくれる。
例えば港町の悲しい歴史を背景にした「ハクモクレンの約束」。そして密…続きを読む - ★★★ Excellent!!!海から生まれ海へと還る。壮大かつ身近に寄り添う海洋ファンタジー
大好きな小説です!
生き生きとしたストーリーやキャラたちには、読者を惹き付ける魅力がいっぱい。海、怪異、妖、式神、退魔、温かいエピソード、伏線……含まれている要素の一部を並べただけでもワクワクしてきます。たくさん登場するキャラクターにも、それぞれを特徴づける性格、容姿、属性、能力、アイテム、秘めた過去や影等があり、すごく個性豊かで、ひとりひとりを好きにならずにはいられません。
それでいて、作者様の伝えたいものや好きもしっかりと描かれているのですから最強です。「多くの読者が好む要素」に依存しておらず、めちゃくちゃ面白いです。
また、確かな筆力としっかりしたイメージ、膨大な知識に裏付けられた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読む楽しさを存分に味わえる、心温まる海と妖(あやかし)の物語
様々な面から物語を読む楽しさを思い出させてくれる作品です。
作者様の、このキャラクター達を描きたい、そして海のことを広く知ってもらいたい、との深い想いが克明に伝わってくる物語です。
海事に関して詳しくない人でも分かりやすいよう配慮されていて、普段海に縁遠い生活を送っている身には、これまで知らなかったことを知る楽しさが味わえました。
一方で付喪神や妖たち、異形のものたちが大勢息づく世界でもあり、主人公たちが怪異に対峙する場面はファンタジーならではの躍動感に満ちていて、とてもワクワクします。
また、キャラクター達がそれぞれに見せる気遣いや優しさ、そして愛情に毎話心が温かくなり、そんなとこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!海を職場とする登場人物たちの海洋怪異譚
海事代理士に海上保安官。
そもそもが海を職場とする人々である。一人は仕事の傍らに、一人は仕事として、海の怪異……海異に対処する。
水というもの、海というものには数多の怪異がつきものであるし、神話もまた海と切り離すことはできない。
そんな海を舞台に現世と幽世を行き来して、そして解決していく。
風景の描写、今どこにいて何をしているのか、そういったことが非常に丁寧に描かれている作品でした。登場人物の掛け合いもまた面白く、ぐいぐい物語に引き込まれます。
この密度、文章の厚み、まさしく本なのでしょう。本として腰を据えて読むとより楽しく読めることと思います。
ぜひご一読ください。 - ★★★ Excellent!!!魅力的な登場人物たち。まるで生きているようだ!
朝霧まりかは海事代理士であり、強い霊能力を持つ。
その霊能力を活かして、海事代理士の仕事の合間に様々な『海異』の依頼を受けていた。
とある海異の依頼を受けて、人魚のカナと出会い物語が始まる。
私の好きな物語です。
主人公のまりかや相棒? のカナ、他にも魅力的な登場人物がいます。
どの登場人物にも親しみを持つことができて、物語を楽しむことができます。
主人公まりかやカナ、他の登場人物にも伏線が隠されているようで次が気になって仕方ありません。
この作品の魅力は風景描写と登場人物の会話だと私は思いました。
細かな風景描写を大切にされている印象を受け、主人公がどこにいる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ぜひこの海に飛び込んでみてほしい!
海難法師とワガママ人魚を読み終わったところまでのレビューになります。
海事代理士、いわば海の法律家として働くまりかには別の顔がある。
現世と幽世を行き来し、海異を鎮める役目を負っていた。
霊力が強い人間には怪異が見える世界で、まりかは簪を杖に変えて異形と戦う。
そんな彼女の仕事仲間もとっても多彩だ。
1話に出てくる小金魚の精霊三匹に、きっと読者は癒されるはず。マシュマロいくらでもあげたくなっちゃうけど、まりかさんに怒られそうなので私は自重します(笑)
そして2話から出てきた居候人魚カナも、幼い顔立ちで自由奔放な物言いかと思いきや急に老獪な威厳を放つ。麗しいだけでなく獰猛な人魚の描写に…続きを読む